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はっけんの水曜日
 
絵描き歌にならなそうなものを絵描き歌で描いてみる

♪難しそうでそうでもない そうでもなさそで難しい

「身の回りの」なんて言っておいて、タガメとクマムシの登場である。でも「身の回り」には違いなく、そしてあまり絵描き歌にされなさそうなところを狙ってみた。

これは、群馬の実家の近くにある「ぐんま昆虫の森」で撮った、タガメ夫婦である。夫婦かどうかは知らないが、標本である。

もうめったに生きている姿を見られなくなってしまったタガメ。日本最大の水生昆虫、まさに王者たるその堂々とした風格、威容を、ぜひ「絵描き歌」に昇華したい。


メスを意識して描きます。

とは言うものの…まず何をしたらいいか。まずは、普通に描いてみよう。ただし単純な線で。

写真を見ながらだいたいのラフを描く。
そのあと、もっと単純な線にする。けっこう考えどころ。

そして、単純化した絵をじっと見つめ、だいたいのテーマ、ストーリーを決める。「頭は最初に描くところだな…それをモチに見立てると、そこから笹につながって…」とか。

頭・足などのパーツのイメージに関連性があればそれに越したことはないが、たまに脱線したりしてもかまわない、とにかくざっくりとした流れを決めてみよう。


忘れないよう、イメージをパーツに書き込んでいく。本物の絵描き歌作者がこんな風に作っているのかどうかは、わからん。

パーツには、なるべく皆知ってる、わかりやすい物をイメージとしてあてはめたい。「モチ」「笹」とか。「ラジエータ」「ウォームギア」「蝶型弁」などは避けたい。

そして、作曲の素養が全くなくてもオッケーだ。3音くらいを、行ったり来たりすればそれらしくなるだろう。ラフイメージを元に、実におおらかに作詞し、歌にしたのがこれだ!



どうにも唐突な感じのいなめない、タガメ。

「タガメ」歌詞

 おモチがひとつ ありました
 笹をいちまい 敷きまして
 割いてさっそく 食べましょう
 モチから足が 生えてきた
 笹にも足が 生えてきて
 モチ食って ちからをつけたらば
 あっというまに タガメだよ

ここでダメなところのひとつは、「足」を「足」としてそのまま歌ってしまっているところだ。これが通るなら、最初から「頭がひとつ ありました 羽根が2枚 ありまして」とそのまんま歌えばいいってことになるじゃないか。次に反省を生かそう。

♪クモかイモかで 大違い

動画の雰囲気からは想像つかないかもしれないが、本人はなかなか楽しくなってきた。なぜってこれからは、何も見ずにタガメを描くことができるのだから。

次は「クマムシ」。正式には緩歩(かんぽ)動物といい、8本の足でゆっくりと歩く。体長は2mmにも満たない。しかし脅威の生命力を持っている、スーパー生物。

そんな彼らを、ノートの隅っこにいつでも描けるといい。



まあ、見なくても描けなくもなさそうだが歌にして君に贈ろう。


ラフ時の試行錯誤のあと。頭は「あっというま」の「あっ」で済ますことにした。


やっぱり絵描き歌なくても描けそう!

「クマムシ」歌詞

 おイモがいっぽん ありました
 イモから4つ 芽が出たよ
 芽からそれぞれ 根が生えた
 見る間に カビも 生えてきた
 あっというまに クマムシだ

イモを悠長に眺めていたら、カビが生えてきてしまったのだ。芽から根が生えちゃうし。


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