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ちしきの金曜日
 
流し素麺の聖地・唐船峡巡礼


素麺好きにはたまらない素麺の楽園。聖地。
素麺界のディズニーランド。
そんなところが 鹿児島県は唐船峡にある。

そこに行ってきたレポートです。

T・斎藤



流し素麺が好き

夏の定番・そうめんは、そのままだとわりと地味な印象の食べ物だ。が、水に流すことで一転して派手でエキサイティングな食べ物へと変わる。

というわけで、我が家ではよく素麺を流している。


我が家の流し素麺風景(ビフォア・そうめん太郎)

うちは団地住まいで広い庭などがないため、以前は上の写真のように強引に室内に竹を組んだりしていた。が、「そうめん太郎」というガジェットを手に入れてからは、非常にスマートになった。


我が家の流し素麺風景(アフター・そうめん太郎)
みんなよくiPhoneとか絶賛してるけど、そうめん太郎だってもっと賞賛されるべきと思う。

「こんなグルグル回ってるだけの素麺流しなんてイマイチ。」
と思った人 ―かくいう私も初めはそうだった― は、実際に目の前で回る素麺を見れば一瞬でその考えを改めると思う。

楽しいのだ。

そして、九州でそうめん流しといえば、この回るタイプのことを言う。(⇒ 過去記事参照

で、その発祥の地が、鹿児島県指宿市にある唐船峡。
なのだそうだ。

 

流し素麺発祥の地



大きな地図で見る



ネットで調べてみたら、「市営」と書いてあった。
市営の流し素麺とか、そんなんアリなのか?

聞いた話によると冬でもやってるらしい。
寒稽古かよ!?

と、いろいろ興味深いが、なにしろ遠い。
同じ九州に住んでてもそれでもなお遠い。

まぁ、行くんだけど。

いざ聖地へ

ということで、唐船峡へ。
新幹線で鹿児島中央駅まで行き、そこから指宿枕崎線を黄色い「なのはなDX」号に乗って南下する。


なのはなDX

「なのはなDX」は、普通の快速列車である「なのはな」に一両だけ指定席専用の特別車をつけたもの。だからDX。

木をふんだんに施した車内に、展望スペースもある。
快適だ。


なのはなDXの車内

なにより快適だったのは、特別車の方は空いていて、写真を見ても分かるように後ろ半分はガラガラだったこと (写真に写ってない前半分には何名か乗っていた)。なので、展望席も独り占め状態。優雅に海を眺めながらの旅となった。

一方、普通車両の方は生活の足として利用する人たちでいっぱいだった。


展望席から海を眺めたところ。

途中ほとんどの間、海沿いを走る。

時間帯にもよるだろうが私が乗った時は後ろ半分がガラガラ。これだけ空いていると気持ちがいい。

指宿駅に到着。

指宿からはレンタカーで

なのはなDXの終点は指宿駅。
唐船峡の最寄り駅はその先の開聞駅だが、指宿でレンタカーを借りることにした。その理由は以下。

・接続する列車の待ち時間が44分もあった。
・開聞駅から唐船峡にはバスまたはタクシーに乗らなければならない。
・しかし開聞駅から出るバスは2時間に一本くらいしかない(らしい)。



こちらは唐船峡にあったバスの時刻表。
これを見たら、2時間に一本どころか一日2便だった。
なのでレンタカーという選択はおそらく正解だったと思う(もしくはタクシーか)。

そういうところだ。


地名、看板など見る物すべてが珍しく見える。
すっかり「旅人モード」になっていた。

で、到着。

ここが流し素麺発祥の地・唐船峡だ。
駐車場も広く、観光地ムード。

偉い人の銅像も建っていた。
こ、これはもしや…


回転式流し素麺を発明した人の銅像だ!

説明文によると、このかたが村役場の職員だった当時、回転式そうめん流し器を開発したことにより、そうめん流しが名物の町となり、観光地としての地位が揺るぎないものとなったそうだ。(その後、町長となる)

なるほど。
それで市営のそうめん流しなるものがあるわけか。
(村⇒町⇒市となっていったのだろうと推測)


ここが入り口かな?

むっ、こちらが正式な入り口か?

これまた立派な門が!

「THE・入り口」という感じの堂々たる入り口が3つもあり、せっかく来たのだから最も由緒正しい門から入りたいと思う私を惑わせる。(下で繋がっているのでどこから入っても大差ない)

素麺を食べるところは谷になっており、そこに向かって降りていく。


眼下にそうめんの谷。ただならぬスケール感。

壮大なスケール

谷へと降りていくと、そこにはおびただしい数の回転式素麺台が待っていた。東京ドームほどのスペースにずらりと素麺台が並んでる!

…という印象をその時は受けたが、後で写真で見たらそこまで広大ではなかったかも…と思った。しかし、それくらいインパクトがあった。




素麺台がどこまでも延々と続いているような錯覚を覚えた。

テーブル番号だって700番台とかあるし…

さらにその奥にはちょっと高級感のある席も続いていた。

店舗は、市営のものと、「長寿庵」という民間のと2つあるようだ。店と店との境界は壁などで仕切られてないので自由に行き来できる。

パッと見たところメニューも料金もシステムもだいたい同じような感じだった。


店と店との敷居はこれだけ、というフランクな境界線。

というのは、食べ終わって周囲を歩いて回ってみてわかったこと。とりあえず私は市営の方で食べた。


池とか神社とかもあって全体像を把握するのは容易ではない。

これが本場のそうめん流しだ

メニューはそれほど多くない。
「ここまで来てケチっちゃダメだろう。」
と思い、ろくにメニューも見ないでとりあえず一番高い「A定食」というやつを注文した。1600円。

流しそうめんを食べるにしては少し高いかな?とも思ったが、これが凄まじい満足度で、食べ終わる頃には値段のことなどまったく気にならなくなっていた。


薬味はネギとわさび。

最初にまず素麺が来た。


なんたる清涼感。

湧き水を利用しているので、水は常に出っぱなし。
人がついてない台でも、すべての台で水が勢いよくグルグル回っている。

そうめんが回転する様子は動画でどうぞ。

 

素麺を引き立てるものたち

動画を撮ったりしてるうちに、A定食のセットに含まれる品々が運ばれてきた。


鯉のあらい

ニジマスの塩焼き

おにぎりと鯉こく。

素麺にベストマッチという観点でチョイスされたと思われるこれらの品々は最高においしく、確実にそうめんのうまさを引き立てていた。


うめー!

家でもしょっちゅう食べてる素麺だが、遠路遙々やってきて、最高のお膳立てのもとで食べる素麺はまた格別のおいしさだった。水が冷たくて美味しいのもポイントだろう。

食べ始めたらものすごくテンションが上がってきて、この喜びを誰かに伝えたくてしょうがなくなったが、あいにく一人旅で伝える相手がいない。なのでツイッターに「そうめんうまいなう!」と書こうと思ったら、電波が圏外。

い、いや、そんな携帯をいじりながら食べるより、しっかり目の前のものと向き合うべきだ!と思い直し、深く味わいながら食べたのであった。


ごちそうさまでした。

さすがは聖地

というわけで、情報としては「おいしかった」の一点くらいしかないが、ホントにおいしかったので、流しそうめんファンの方々は、是非抑えておくべきスポットと思う。いや、抑えておかねばならない。

参考リンク:
唐船峡そうめん流し (いぶすき☆観光☆ネット)
長寿庵(開聞唐船峡店)


 
 

 

 
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