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ロマンの木曜日
 
ツインタワー大好き


 

ふつうのビルとか建築物にはそれほど興味ないけど、ツインタワーが大好きだ。

同じシルエットの高いビルがすっくと並んで建っているのは興奮する。1本だけで見るとなんでもないビルでも、同じものがもう1棟並んでいるだけでかっこよさは無限大。

オフィスで働くなら、マンションを買うなら、ホテルに泊まるなら、ツインタワーの物件にしたい!と、本気で思っている。

そこで、思う存分ツインタワーを見てまわってきた。

萩原 雅紀



ツインタワー好きの目覚め

東京で生まれ育った僕にとって、ツインタワーの魅力と迫力を最初に教えてくれたのは何と言っても東京都庁第一本庁舎である。

ツインタワーとは言っても実際は1つのビルで、またいろいろ賛否のある建物ではあるけど、まだ学生で税金を納める前だった僕には、首都の自治体の庁舎としてふさわしい風格とかっこよさを備えた建物と思えた。もちろんいまでも大好きだ。登ったことないけど。

でもツインタワーは外から眺めてこそだと思うので内部にはそれほど興味がない。

この建物が完成した1990年前後は、日本各地でツインタワーが相次いで建設され、ある種ツインタワーブームだったと言えると思う。


東京都庁第一本庁舎(1990年竣工)
私はこれでツインタワーに目覚めました

かっこよさ ★★★★
スマートさ  ★★
ツイン度 ★★

なお、唐突にミシュラン評価が出てきたが、今回は僕の主観とフィーリングで5点満点の評価をつけてみた。ただし建築に関しては素人で、またその建物の構造や意義にも興味がないので、評価基準は見た目だけであることをご留意いただきたい。

「かっこよさ」はそのままビルとして鑑賞した場合のかっこよさ。これは周辺の景色や雰囲気も多少影響するかも知れない。

「スマートさ」は縦横比や装飾など、ツインタワーとしての総合的なバランス。ツインタワーはスマートでなきゃいけない。

「ツイン度」は分かりにくいが、それぞれのビルの相似度や距離感など。ツインタワーを謳っていても似ていないビルもあるのだ。

都庁のポイントは、ツインタワーの上部がベースの建物に対して45度回転しているところだと思う。あれがビルに奥行きを与えているし、タワー部のツイン感も増していると思う。

 

古き良きツインタワー

しかし、同じ東京住まいでも、もう少し上の世代の方々からは異論があるかも知れない。東京にはもっと昔からツインタワーが何棟か存在しているからだ。

そのうちもっとも有名なのは、青山一丁目駅前にそびえ建つ新青山ビルではないだろうか。青山ツインタワーとも呼ばれるこのビルは、都庁から遡ること12年前、1978年に建てられたオフィスビルだ。

外観は派手さはないが、その落ち着いたデザインは青山のランドマークとして長年親しまれている。


新青山ビル(1978年竣工)
東京のツインタワーの顔役的存在に表敬訪問


かっこよさ ★★★
スマートさ 
ツイン度 ★★★★

上から見るとやや長方形の建物はどっしりしていてスマートさこそないが、シンプルなデザインのまったく同じビルが真横に建っているのでツイン度は高得点。

惜しむらくは正面から見ると窓がないので、ツインで建っていてもビルかどうか分かりにくい、という点だろうか。どことなくデスクトップパソコンの本体っぽい。


ツインタワーのホテル

ここまで東京を代表するツインタワーを2棟見てもらったが、東京以外でも思わず写真に撮るほどかっこいいツインタワーがあるのでご紹介したい。しかもホテルなので予約すれば誰でも入ることができるのだ。

まずひとつが北海道のほぼ中心、占冠村に建設された大規模なリゾート、アルファリゾート・トマムのタワーホテル、その名もザ・タワー。

北海道旅行を計画したことがある人なら、広大なスキーゲレンデやゴルフ場に囲まれた、緑豊かな山の中に忽然とそびえ建つツインタワーを一度は見たことがあるのではないだろうか。

僕も以前、北海道旅行した際にこのホテルに目が留まってしまい、しかも実際に行って、その日本離れした衝撃的な光景に完全に魅了されてしまった。

だってこんなである。


アルファリゾート・トマム/ザ・タワー(1987年竣工)
奥のツインタワーは全室スイートというこれも驚愕の物件で星はすべて満点である


かっこよさ ★★★★
スマートさ  ★★★★
ツイン度 ★★★★★

緑豊かな場所に建つ高層ツインタワーが二組。これほど現実離れした光景もそうないのではないか。こんな夢の中のような世界が実際にあって、滞在型のリゾートとして運営されているのだ。

1度行って以来、僕はすっかりここが気に入ってしまった。できることなら年に1度は行きたいとさえ思っているほど。

トマムと言えばまさに「バブルの象徴」として取り上げられがちだけど、こんなものすごいものが造られたんだから、僕なんかは本当にバブルがあってよかった、と思っている。こんな素敵で楽しい施設、絶対に負の遺産なんかじゃない。


この異様な雰囲気にメロメロ

ひとつ残念なのは、最近の改修でタワーの色がカラフルに塗り替えられてしまったこと。以前のシックな茶色がここの雰囲気を象徴してて好きだったんだけど。


もうひとつ、名古屋でホテルも入ったツインタワーを見つけた。およそ10年前に新しくなった名古屋の駅ビルである。


JRセントラルタワーズ(1999年竣工)
太さの違う円柱、という風変わりなツインタワー


かっこよさ ★★★★
スマートさ  ★★★
ツイン度

そういえば名古屋駅って行くたびにずっと工事してるな、と思っていたけど、もう新しいビルが建っていた。しかも10年前!

これをツインタワーと呼んでいいものかどうか悩む。意匠も同じ、高さもほとんど同じだけど、何しろ太さが違うのだ。相似ではあるけど合同ではない。ツインタワーは限りなく合同であってほしい。

しかし、実際に真下から見上げてみると大きくてかっこよかった。でも、「大きくてかっこよかった」だけではこのツインタワーを正確に評価していないので、ミシュラン方式を採用して本当によかったと思う。

 

武蔵小杉が沸騰

話を東京近郊に戻そう。

都庁が建てられた1990年前後は、トマムのタワーや大阪にもツインタワーが建ち、日本における第一次ツインタワーブームと言える。それはそのままバブルと直結するのだけど。

その後バブルが弾け、長い冬の時代を経たのち、第二次ツインタワーブームが来た。それがいつかと言うと、まさに今だ。

今回めぐってみて驚いたのだが、いま、東京とその近郊ではツインタワーが本当に数多く建てられていた。それも、オフィスビルやホテルではない。マンションだ。大規模マンションの主流がここ10年ほどで高層タワーマンションに移り、さらに、最近はそれを2本建てるのがブームになっている。完全にツインタワーのインフレである。特にいま熱いのが南武線と東急東横線の乗換駅である武蔵小杉。

ほんの数年前まで工場と庶民的な住宅街の街だったこの駅が、今は改札を出るとまずこの光景が目に飛び込んでくる。


パークシティ武蔵小杉(2009年竣工)
ツインというよりコンビといった風情

かっこよさ ★★★
スマートさ  ★★
ツイン度

マンションの評価は妬みもあってやや厳しめになることをご了承いただきたい。

改札を出ると、目の前に超高層ツインタワーマンションがそびえ建つ。右側の建物は59階建てで国内のマンションではもっとも階層が多いのだとか。サンシャイン60とほぼ同じ、しかもマンションが、なんと武蔵小杉に!

感心しながら歩いていると、さらに目の前に白い巨塔が見えてきた。


リエトコート武蔵小杉(2009年竣工)
立派にツインタワーだが景観的には真ん中のマンションの存在が惜しい

かっこよさ ★★★
スマートさ  ★★★
ツイン度 ★★★

高さ、バランスともに申し分ないツインタワーと言えるが、いかんせんデザインが単調すぎて面白味に欠ける。あと、ちょうど中心に別のマンションが入り込んでしまい、黄門様を護衛する助さん格さん、といった脇役位置になってしまうところが非常に残念。

なにはともあれ、なぜか突然、武蔵小杉でツインタワー祭りが発生したのだった。しかしあんなところに住むというのはどんな気分なんだろう。

マンションでツインタワーと言えば、思い出した場所がある。それは東京の真ん中、多くの著名人が暮らしていると言われている、あのエリアの中に立つ超高級マンション。


六本木ヒルズレジデンス(2003年竣工)
ここは本当に近づき難い高級感があった

かっこよさ ★★★
スマートさ  ★★★★
ツイン度 ★★★

武蔵小杉のツインタワーも十分すごかったけど、六本木ヒルズレジデンスはやはりちょっと別格の風格だった。嫌みになるかならないかギリギリのところで豪華で、ツインタワー全体で見ても、かなり完成されている建物だと思う。

きっとこの写真に写っている窓も、いくつかは芸能人や著名人が暮らしている部屋のものなんだろう。そう思うとちょっと癪に触るけど、やっぱり鑑賞対象のツインタワーとしては魅力的な物件であると言える。


新旧ツインタワー揃い踏み

続いては東京のベイエリアにやってきた。

まずは、この企画を思いついた時から候補に挙がっていた、由緒あるツインタワーを鑑賞。


聖路加タワー(1994年竣工)
ツイン度は高くないがなぜか納得の名ツインタワー

かっこよさ ★★★★
スマートさ  ★★★
ツイン度

両タワーの間に渡り廊下さえ架かっていなければ、それぞれ独立した高層ビル。しかし、1本の橋で結ばれることによって、両タワーの関係性が目に見えるようになり、するとツインタワーとして認識されるようになる。

大きさもデザインも異なる両タワーだけにツイン度は勝負にならないが、もともとのデザインの良さ、どことなく漂う品の良さによって、異色の名ツインタワーの高評価に異論を唱える人はいないだろう。


続いては、近頃再開発の活発な勝どきエリアにやって来た。

家で調べているときは気づかなかったが、聖路加タワーを見てから駅に向かって歩いていたら、遠くの方に巨大なツインタワーを見つけてしまったのだ。


なんかすごいのがいる!

そして、急いで真下までやってきて、絶句した。


ザ・トーキョー・タワーズ(2008年竣工)
これが21世紀の巨大団地か...!

かっこよさ ★★★★
スマートさ  ★★
ツイン度 ★★★★

巨大だ。あまりにも巨大。

ここまで来ると、ツインタワーというよりは、同じ形をしたビルが2つ並んで建っている状態(それがツインタワーだけど、これは違うと思う)と表現した方がいいのではないか。

ツインタワーインフレがここに極まった感じがする。そして、恐らくかなりいいお値段するであろうこんなマンションが、驚くべきことに完売しているという事実に打ちのめされた。

一瞬方向性を見失いそうになったので、最後に美しいツインタワーを見て締めたいと思う。というわけで、夜のお台場へ向かった。


夜のツインタワー

お台場のランドマークはテレビ局でも観覧車でもないと思う。このツインタワーである。どの方角からどの交通機関で来ても、お台場に降り立てばまずこのマンションがそびえ建っているのが見えるはず。


ザ・タワーズ台場(2006年竣工)
てっぺんの王冠が目立ちすぎるほど目立つ

かっこよさ ★★★★
スマートさ  ★★★★
ツイン度 ★★★★

大きさ、バランス、デザイン、どれをとっても東京のツインタワーマンションではもっとも美しいと思う。最上部の過剰な装飾がやや気になる人もいるだろうが、「お台場にタワーマンションを買った」という居住者の勝ちっぷりを考えれば納得である。

また、目の前に広大な駐車場があり、上から下まで何に邪魔されることもなく全景を眺められるという点も、都内では非常に貴重であることを書き添えて本稿の締めとしたい。

アガって、へこんだ

以前からこつこつ写真を撮り貯めていたので、今回たくさん公開できて嬉しい。

武蔵小杉やベイエリアのマンションは今回初めて観に行ったのだが、どれもこれもツインタワーかどうか以前にかっこよくて、テンションもアガった。しかし、写真を撮り進めるうちにだんだんへこんできた。

だって、こんな何千戸、何万戸と部屋があるのに結局僕の部屋は1つもないのだ。

悔しくて途中からは闇雲にマンション写真を撮ってた

 
 

 

 
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