コンクリートの穴から魚が釣れるなんて、話を聞くだけでおもしろいとわかる釣り、というか遊びである。
だが、この取材をしたのは五月中旬。例年ならそろそろ釣れる時期らしいのだが、今年は海水温の上昇が遅く、まだ穴釣りをやるには早いんじゃないかといわれてしまった。でもまあ、来ちゃったので、とりあえずやるだけやってみましょうか。
女川流穴釣りにチャレンジ
さっそく港にいってみると、なるほど防波堤に排水溝みたいな穴がいくつもあいている。釣り人も数人いるが、みんな穴には見向きもせずに、海に向かっての投げ釣りだ。普通だ。
ひとりだけエビアンフォルダーをしているような疎外感。
穴釣りって、昔からこの地の釣り師に伝わる伝統的なものではなくて、もしかしたら浅草の人力車みたいに観光客向けのレクリエーションなのだろうか。 |