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ひらめきの月曜日
 
心に残る「情けない顔」探し


 

普段暮らしていて、なんとなく目に入ってくる広告や雑誌。そこにはたくさんのモデルやタレントが登場するが、その人たちはかっこよかったり美人だったりすることが多い。

商品を訴求する目的なのだから、魅力的な人たちを起用するのはわかる。ただ、同じようなコンセプトのものであふれかえっていると、それぞれが埋もれてしまい、あまり印象に残らないということも起こると思う。

そう言えば以前、おみやげにもらったお菓子で今でもよく覚えているものがある。よくあるしゃれたパッケージではなく、どうにも情けなく見える顔が描かれていたものだ。

今も心に残る、情けない顔。そういうわけで、心にこびりつくような情けない顔を探して回ってみた。

小野法師丸



思い出の情けない顔を探して

以前もらったおみやげの箱に描かれていた情けない顔。再び見てみたいのだが、商品そのものの詳細は忘れてしまった。確か九州に行ってきたおみやげとしてもらったものだったはず、という手がかりをヒントに調べてみた。


建物名の由来は知らないけど、中身は充実
アンテナショップのひとつ

都内でも手に入るとわかってやってきたのは、有楽町にある東京交通会館。いろいろな店が入っている中に、日本各地の自治体のアンテナショップもいくつかある。

今回目的としたのは、九州の物産を扱う「ザ・博多」というお店。ここに来れば地元の商品もたくさん並んでいるわけだ。


観光地気分になるラインナップ
あった、これだ!

明太子入りこんにゃくの「赤い恋人」など、九州で有名な食品などがたくさん並んでいる。そんな中を探すと、あったあった、あの印象的な赤い箱があるではないか。

「二〇加煎餅(にわかせんぺい)」というその商品。売場の状態だとヒモがかかっていて少々見づらい。早速購入して開けてみよう。


心に焼き付く情けなさ

郷土芸能の「博多にわか」で使われるお面をモチーフにしているらしいこの箱。たれた眉毛と目尻がなんとも情けない表情で、一度見たら忘れられないインパクトがあると思う。

このにわかせんぺい、デザインは箱だけではない。


煎餅本体にも続く情けなさ
肌の色と妙にマッチ

煎餅そのものも同じデザインが施されているのだ。茶色い煎餅に焼印が押されているその様子は、じっくり見ていると赤いパッケージよりも情けなさが加速してくる。

こういう煎餅を見たら、顔に当てて遊んでみたくなるというもの。実際にやってみると、さらに情けなくなって満足だ。

かっこいいものやきれいなものに心惹かれるのはよくわかる。でも、逆に情けないものも妙に印象に残るではないか。今回はそういうものたちを探してみたい。

 

真逆とも思える場所に飛び込む
ただいま開催中

情けない顔探しにまずやってきたのは六本木ヒルズ。情けなさとは正反対にあるキラキラスポットだが、そこで行われている「地球最古の恐竜展」が気になってやってきたのだ。

恐竜。恐ろしくてかっこいいもの、というイメージが強いのではないだろうか。しかし、会場そばにあったポスターを見ると、どうも一匹仲間はずれがいるようなのだ。


君が恐竜っていうのはよくわかる
で、君もなの?

いかにもザ・恐竜という二足歩行の肉食恐竜が大きく描かれているこのポスター。しかし、その足下を見ると、どうにも情けない奴が踏まれているではないか。

なんか、個人的には見たことない感じ。ポスターを通りすがっていく若い女性が「恐竜展って書いてるけど、あれって恐竜?」「なんか、ネズミっぽくない?」と言いながら歩いていった。やっぱり認められてないのだ。


おまえだからこそ会いに行きたい

見るほどにせつないその表情。子供の頃のような恐竜への関心はないが、それが情けない顔であるならぜひ見てみたい。会場に行ってみよう。

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