地獄が見えた

いよいよカーリングの前々日夜。これを持ち運ぶのは無理があるので事前に予定の場所の近くまで運んでおく事にした。全ての準備は万端。意気揚々と運ぶ途中、ふとこんな考えが頭をよぎった。

「道路でもちょっと試してみようかな」

えいやー。ゴロゴロゴロゴロ、ガッ！ドギャギャ！ガスッ！！

やばい。

今の心境を1文字で表したら、「責任」ですかね

これはまずい。非常にまずい。カーリングをする予定の場所も舗装はされているが真っ平らではなくこの道路と同じ位の凹凸はある。つまり同じ状況になる可能性が高い。

一人ならばここで終わって、やっぱり漬け物石では無理でしたわー。はははー。みたいに終わらせていたかも知れない。というか多分そうやって終わっていた。

だが、今回は友人がこのカーリングを楽しみにしてくれている。更にわざわざ東京から見に来て下さる仕事相手までいるのだ。これはまずい、本ッ当にまずい。お腹痛い。

どうにかしよう

凄く楽しみにしていたカーリングが5秒で絶対にやりたくないものに変わってしまった。人生、一寸先は闇である。だが暗いと不平を言うよりもどうにか明かりを点けようではないか。

1. 漬け物石にもっとしっかり固定する。
2. 地面を平らにする。
3. このまま行って勢いでごまかす
4. 無かったことにしてもらう

思いついた対策は4つ、�Tは考えてみたが方法が思いつかない。�Uは一番平らな所を探したがそうそう見つからなかった。�Vは無理だ。想像しただけでお腹が痛い。現実的には�Wか。

明日になったらみんなに謝ろう。そう決めて布団に入ったが寝付けない。どうしても色々なことを考えてしまう。ダメだ、諦めるなっ俺！！

藁にもすがる気持ちでホームセンターに向かった。何かを敷いて地面を平らにしようと材料を探す。見つけたのがベニヤ板。どのくらい必要か分からなかったが10枚買った。

600円が10枚で6000円。漬け物石の時は躊躇した値段だがこの6000円はお願いしてでも払いたい。

それでも不安

そして当日。みんな揃って予定の場所へ向かう。向かいながらこの間の惨状を話し、無理かも知れないと伝えると

「ダメでもそれはそれで面白いですよ」
「アカンかったら横に転がしたらエエねん」

と、優しい言葉が返ってくる。これは、絶対失敗出来ない。したくない。

目的地に到着したらベニヤを敷いて的を貼り付ける。
ベニヤを敷いた位で漬け物石は大丈夫なのか、頑張ってくれ、漬け物石！！

頼む、どうにかなってくれ

完成したカーリングリンクはなんだか予想以上にそれっぽく、出来そうな気がする、転がるのか、漬け物石！

恐る恐る漬け物石を転がす。大丈夫か大丈夫か、心配をよそに漬け物石はコロコロ転がる。コロコロコロコロ…

おおぉ！いける！！ベニヤ板敷いた甲斐あってコロコロと転がってちゃんと円の所まで届く。なんか出来そう、というか面白いぞ、これ！

滑る用の靴はバランス取るのが難しく、こける可能性もあるので履きたい人だけ履く。というルールに。何度か投げてもたまにしか円にいかず良い感じの難易度。

よし！と思っていたら、ポロポロと車輪を留めていたネジが落ちる。わぁ、車輪が取れる前に試合をしよう！！