リア充が問題である。巷ではリアルが充実している人のことをリア充と呼ぶそうだ。
僕も僕なりにリアルは充実していると思っているわけだが「充実しているエピソードは?」と聞かれると答えに窮する。冷静に考えるとリアルは空疎なのでリア空かもしれない。
そこでリア充になってみました、…と今更言うのも恥ずかしいので、ここは一足飛びにリアルで王さまになってみたい。
リア王の誕生である。
(藤原 浩一)
ヒゲとかんむり
王さまっていうのはどんな人かといえば、きまって金の冠をつけたヒゲのおっさんの可能性が高い。
そういうわけで、わくわくさんよろしく工作用紙を使って冠とヒゲを作ってみた。だがこんなものを付けるだけで王さまになれるのだろうか。不安がよぎる。
試しに何かに乗っけてみることにした。
背が高すぎてヒゲがうまく取り付けられなかったのだが、どうだろう。僕には頭上に輝く王冠が、ただの恐竜を恐竜の王に変えてしまったように思える。
この恐竜も年中ここに立っているだけで、リアルはさぞ空虚だろうと哀れみを感じざるを得ないが、王冠とヒゲを付けただけで王の風格。まさにリア王である。
続いてはこれ。
恐竜の象から歩くこと数歩、今度は公園の門を飾るトーテムポール的な何かだ。公園を守りぬくためトレーニングしたのか、腹筋がだいぶ割れている。
誰が見てもRPGでいうところの「ここは〇〇のむらです」という村人のような扱いのこの象だが、さすがにこれが王さまには……。
一瞬にして王さまに変貌した。アフリカのどこかの国の王である。大きな鳥の上に乗っかっているところも王さまの権威を物語っている。割れた腹筋も「王」の字に見えてくるから不思議だ。
さて次。こういうのはどうだろう。
自転車置き場を示す立て札。こんな無茶な要求にも金の王冠は答えてくれる。まるで自転車置き場界の王のような風格を醸しだしてくれる。
ヒゲはどこにつけていいかわからなかったので、空いたスペースに配置してみたら、眉毛のようになってしまった。キリッ。
さて歩いていると、こんな分からないオブジェがあった。
一見毛虫か芋虫のようにも思えるが、色がおかしい。限りなく後ろに写っているイルカと同じブルー。爽やか過ぎる青。
これがなんなのか的確に言い表すことができないのだが……さてどうだろう。
王さま!と言い切ってみたものの、少々戸惑っている。相変わらずなんだかよくわからないからだ。ただ、王さまにはなっているような気がする。なんだかよくわからないモノの王さまにはなった。
これでワシも王さま
ヒゲとかんむりでだいぶ王さまに近づくことができることがわかった。ぼくも王さまになるために、ヒゲとかんむりを装着してみる。
だいぶ王さまに近づいただろうか。圧倒的に何かが足りない気がする。王さまがしましまTシャツなのはおかしい気がする。しかもTシャツが寄ってるのもおかしい。
だがしましまTシャツには目を瞑り、より王さまへ近づくための模索を続けたい。