粘土を作る
ふつうの土から粘土ができるか。 陶芸に詳しい人に聞いたところ「運がよければできる」ということだった。 その方法に従って、粘土を作ってみよう。
買ってきた土は目が揃っておらず、固いところもあるので、それを取り除くべくまずは「ふるい」にかけてキメを揃えた。 するとサラサラの、砂よりも細かい土がバケツにたまってゆく。
水を加えて沈殿させる
次に、細かくなった土に水を加えて攪拌し、土を沈殿させる。 せっかくなので、浄水場で買ったペットボトルの水をつかおう。 この水は横浜市の水源になっている山梨県南都留郡道志村の水をボトル詰めしたものとのことだ。
たっぷりそそぐ
水を粉末状になった土の中に注いでゆく。 砂は水を弾くように溝を作るが、そのうちにぶくぶくと泡を立てて水を受け入れていった。 それをよくかき混ぜ、土が沈殿するまで放置する。
もったいないけど入れます
うわずみを採取
しばらく置いて粒の大きな土が沈殿し、細かい粒子の土が沈みきらないところで、うわずみを取り出す。 ここが粘土ができるかどうかのポイントになるそうだ。 つまり、早く沈んでしまう目の粗い土は粘土にならないので取り除き、粘土になる素質のある部分だけを分けるということのようだ。 これを水簸(すいひ)というらしい。
採取不可能
しかし、すぐに土は沈殿してしまい、うわずみはほぼ黒い水で、泥の成分はない。 試しにペーパータオルで濾してみたのだが、粘土質の土は残らなかった。
粘土になる素質のある土なら、うわずみを濾して水分を飛ばし、残った土を数ヶ月間寝かせると粘土になるということだ。 ただ、当たり前のことだが、どんな土でも粘土になるわけではない。
まだ道はある
残念ながら、水道局の土は粘土にならなかった。 しかし横浜の土から粘土を作る道がたたれたわけではない。 ほかの粘土とブレンドするのだ。