試されるソーセージ愛
グランドメニューにもソーセージは積極的にフィーチャーされている。ミックスグリルでもセンターに陣取るのはソーセージ。普遍的な人気がこのポジションを勝ち取らせたのだろう。
店を去るときに他の客が座っていたテーブルを見ると、皿に残されたソーセージがあった。悲しそうにしているソーセージ。自分のソーセージ力をしっかりと把握してソーセージを持ってくるようにしたい。
西へと向かって車で移動。パーキングエリアでの休憩でも、フランクフルトは眺めるだけでおあずけとした。次のフリーソーセージにベストなコンディションで臨むためだ。
さらに運転していくうちに、自分のソーセージ受け入れ力が回復していくのを感じる。さっき満足したはずだったのに。人間の欲望は限りがないことをソーセージを通して痛感させられた。
一日三食ソーセージ食べ放題。「なぜこんなことを?」と聞かれたところで、「ついカッとなって…」としか言いようがない。医食同源に真っ向から挑むようなことをしているようにも思える。
自問自答しつつ到着したのは静岡県浜松市。「炭火焼肉食べ放題」の文字が力強く躍る垂れ幕がかかっている「ショウパーナ」というお店。
こらちはビュッフェ専門のお店で、値段が違うコースがいくつかある。値段の違いは 食べられる肉の種類の違いなのだが、目当てとしているブラジルソーセージは一番手ごろな価格のファミリーコースにもラインナップされている 。
ならばそれで十分だろう。このあたりのカジュアルな感じもソーセージの魅力だ。
肉の提供はシュハスコスタイル。幅の広い串に刺して焼いた肉を持って、店員さんが各テーブルを回ってきてくれるのだ。 それまでの間、まずはビュッフェゾーンに並んでいるメニューを見てみよう。
まず目に飛び込んできたのはデザート類。ホールのケーキがドン、ドンと置いてあるのだ。あまり見かけないスタイル。インパクトが強い。
サラダも生野菜が切って並んでいるだけでなく、料理としてちゃんと調理されているものがいくつか並ぶ。かなりの充実度だ。
ブラジル料理としては定番、黒豆を煮込んだ「フェジョアーダ」もある。現地の人がそうするように、ごはんと一緒に食べるとおいしい。
サラダとは別の単品野菜もある。中まで赤いカブはやわらかく、ほんのり甘くておいしい。緑色の野菜は「コウビ」というもの。日本では「うーん、まずい!」でおなじみの青汁に使われるケールのことだそうだ。
やや腰が引けつつも食べると、ほとんど苦くない。癖もあまりなく、歯ごたえが心地いい葉物野菜だ。
席に戻ってサラダ類を食べていると、お肉を持って店員さんがやってきた。最も安いコースにしたとは言え、結構な種類の肉があるので楽しい。見るからにおいしそうで、勧められるままに全種類食べてしまう。どれもうまい、満足だ。
…いや、そうじゃないだろう。目的はソーセージだろう。
あまりの充実ぶりについソーセージのことを忘れそうになる。いかん、自分をしっかりと持て。