「芋がら縄」と言われる物があります。里芋の茎を干して作った芋がらを縄状に編んだ後、味噌で煮込んでから乾燥させた物です。
戦国時代の兵士は、これを戦場食として持って行ったそうです。食べる時は必要な長さに切り分けお湯を注いで(煮込んで)味噌汁として食べたのだとか。
そんな戦国時代のインスタント味噌汁を作ってみました。
(馬場 吉成)
芋がらは煮ても、炒めても、和えても美味しい
芋がらは「ずいき」とも呼ばれています(関西では「割菜」とも言う)。大雑把に言えば、里芋の茎を細かく裂いて皮を剥いて干したものです。
各種の栄養分を多く含み、カビなどが生えなければかなりの長期保存が可能な食品です。昔は保存が利く安価な栄養食品として多く食べられていました。しかし、作るのに手間がかかるのか最近はあまり見かけません。調理も少し手間がかかります。
水で戻して、煮て、柔らかくして、アクをとって。ここまで来たらやっと味付けの段階になります。軽くて常温で長期保存が出来るけれども、そのまま戦場食として持っていかなかったのはこういう手間がかかるからなのでしょう。
一度煮て柔らかくなったものは適当な大きさに切り分けます。あとは煮物、炒め物、和え物など各種の調理法で料理可能。
調理したずいきは味が良く浸みていて、シャクシャクとした食感がとても美味しい。しかし、この食感からはインスタント味噌汁のような物になるとは想像がつきません。
とにかく作ってみなくては分からないので、調べた通りに作ってみます。
まずは縄を製作
芋がら縄を作るには、まず芋がらを縄状にしないといけません。縄の作り方にも色々あります。しかし、一応食品なのであまり激しい事をするのも気が引ける。
ということで、手で地道に編んで紐状にすることしました。食い物で編み物です。