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チャレンジの日曜日
 
中国にある日本のテーマパーク


既に日本でなさそう絵が行く気をそそる

中国の大連というところに行った。ガイドブックもなくなんとなく歩いていたら日本をテーマにした観光地があるらしいことを知った。

その名も「南山風情街」と書いて「NANSHAN JAPANESE STYLE TOURIST STREET」。

中国人にとっての日本というと、中国の日本料理屋の看板に富士山ばかり書かれているから、富士山のような小山があるテーマパークだろうか。それとも日本庭園があるのだろうか?

どこに行くあてもなく、ぶらぶらしていた僕は、その中国の中の日本に行ってみることにした。

ライスマウンテン



大連は神戸みたいな街だった

中国の街はどの街も「食の街」「歴史の街」とか、なんか頭にくっつけたがる。大連は「浪漫の街」と書いてあって、実際海が近いし山も近いし洋館もあるし、山のふもとの商業地にはそごうもあるし、なんか神戸のような雰囲気だ。


ちょっとだけノスタルジー。

昔ながらの路面電車が走っている。

列車はJRでも阪急でもなく大陸横断鉄道な感じ。

街の中心から20分ほど上のほうへ上のほうへ歩くと洋館通り。

バス停にまっかっかなヤクルトの広告。



精巧でなく、むしろユルく

洋館が並ぶ山のほうの住宅地の中に、例の日本テーマパークがあった。日本のテーマパークといっても、ひとつの通りを観光地っぽく地面にタイルを敷き詰め、歩行者天国にしただけの1本道。

道の両側には洋館が並んでいて、その昔その並ぶ洋館それぞれにに日本人が住んでいたかもしれないけれど、これが日本式建築かというとう〜ん、と悩むところ。

日本なのか日本でないのか日本人にすらわからない。それをフォローするかのように、これぞ日本のテーマパークだ!と自称すべく、道の両脇にはオブジェが並んでいた。


新しく造られたっぽい建物はさておき、真髄はオブジェにあり。

和服の少女像。きょとんとした味のある顔。

親孝行息子。日本の子供は親孝行なのだ。

勤勉な日本人の子供なのだろうか。日本じゃ犬も勤勉。

『日本のおもてなし』というところか。
中国人は正座の習慣がないが、そんな中国でも日本女性は正座で迎え入れる。

別の場所にも同じ像が。でも木の後ろからそっと見る感じは『家政婦は見た:』

これはどう見ても日本。

真面目なクレヨンしんちゃんというのだろうか。これもまた日本。

日本人じゃなさそうな人も、場所により混ざっている。
彼女の存在の問いかけに僕は「日本以外全部沈没」が思い浮かんだ。

このひとつの通りでしかない日本をテーマにした観光地だが、大型バスが次から次へとやってきて、たくさんの観光客が降りては、日本人像と記念写真を撮る。大連では有数の観光地なのだ。


観光バスが止まって10分くらいしたら、すぐに観光客を乗せ発車していく

これもまた大連の思い出。

多くの観光客はちょっと写真を撮ると、腰掛けてまったり。

人気過ぎて、ちょっと頭がかけてしまった

ガーン!!

和服を着れば日本代表

二宮金次郎ではなくて本を読む子供がいるだけでも、和服を着ている人たちがまとまっているならば、そこは日本をテーマにした場所になる。著名人の像がなくても、日本人のイメージ像が並べば、日本をテーマにした公園になるのだ。

この南山風情街、大連の役所がGO!サインを出して2000年にできたもので今年10周年となる。その間、日本と中国の関係が悪くなったりマシになったりしたけれど、それでも日本人像らは、中国人観光客を迎え続けた。

最大のライバルは対日世論ではなく雨だったわけで、今後も雨ニモ負ケズ風ニモ負ケズ、中国人観光客を迎え入れて欲しいなーと思った。

園の入口にある店で日本人は一番驚く

 
 

 

 
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