心で描く肉だんご
さらなる低価格ちゃんぽんを探したいのだが、施設内食堂はすでに訪れてしまった。これより安いちゃんぽんは果たして見つかるのだろうか。
実のところ、520円に続くちゃんぽんはすぐに見つけられるのだ。
全国展開している長崎ちゃんぽんのお店、「リンガーハット」である。肉だんごこそないが、490円だ。
しかも麺が1.5倍や2倍に無料で増量できるというのだからすごい。ただ、リンガーハットは埼玉の自宅近くの店によく行くので、長崎まで来てここに入るのはややためらわれる。
店先にあったメニューで値段を改めて確認するだけに止めて、さらなるちゃんぽんを探そう。
上の左側の写真、この記事の最初に載せた長崎駅だが、そこから反対を向くと「交通会館」というビルがある。一階がバスの発着場になっているタイプのビルだ。
このビルの窓に、ずいぶん思い切ったことが書いてある。
ギョウザやモーニングと並んで、「ちゃんぽん 290円」とあるのだ。一瞬目を疑うくらいの安さ。
リンガーハットよりちょっとでも安いのが探せればいい、と思っていたのだが、すでに結構安いと思われる490円からガーンと200円も安い。早速ビルに入り、店に行ってみよう。
どうやら「Book Cafe」という名前であるらしいこのお店。その名前の雰囲気やケーキセットのアピールからすると、ちゃんぽんからはイメージが遠いが、店の前に大きく掲示してあるメニューでは刺身や枝豆など、思いっきり居酒屋系のものが並ぶ。
「豚つらみ」など気になるメニューもある中、「ALL 290円」と大きくある下にちゃんぽんもラインナップ。やはり間違いない。
よくあるフードコートと同じように、配膳はセルフサービスというこの店。ちゃんぽんが290円で食べられるならそれももちろんウェルカムだ。
店名とメニューとのマッチングの意外性に戸惑いながらも、食券でちゃんぽんを購入。しばらくすると、「ちゃんぽんのお客さまー」と呼ぶ声がした。
来訪時は11時前だったので290円。ちゃんぽんの相場である700〜800円と比べると、400〜500円違う。それならこのちゃんぽんに肉だんごが入っていなくても、浮いたお金を持ってデパ地下に行けば立派な肉だんごが買える。
そんな心のゆとりを与えてくれるちゃんぽん。別にちゃんぽんとしっかり向き合っていないわけではないので、そこのところはわかってほしい。
いろいろな値段のちゃんぽんを食べたが、すごいと思ったのは基本的にどれもおいしかったということ。もちろん本当に好きな人には差も感じられるのだろうが、ざっくりと普通の食事として食べるには十分なおいしさがあった。
ネットで調べていると、長崎市内にちゃんぽんを出す店は1000軒以上あるという記述も見つけた。まだ見ぬ超高級ちゃんぽんや、お値打ちちゃんぽんがあったら、またの機会にぜひ食べてみたい。