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フェティッシュの火曜日
 
甘くないどころか塩辛い大福を見つけた

思い出したころにやってくる新幹線

いやー、盛り上がった

祭りで一緒だった藤原が「母の幼いころの仇名が『塩あんびん』だったらしい」と告白

塩あんびんが気になる

塩あんびんが気になっていた。家に帰って調べたところ「あんびん」とは「塩餅」のことだそうだ。へえ、塩塩餅なんだ。なんかへんだ。

一緒に祭りに行ってた藤原も家で家族に聞いてみたそうだ。

藤原のお母さんは久喜出身で塩あんびんについてもよく知っていた。そして、小さいころはまるっこくて「塩あんびん」というあだ名をつけられてしまったそうだ。

そうか、あれは藤原のお母さんだったのだ。

あの塩あんびんをちゃんと食べてみたいのでもう一度久喜に行くことにした。


愛宕神社そばの愛宕茶屋に行った
いがまんじゅうっていうまんじゅうを赤飯で包んだものもこの辺りの名物だったりする(記事『包んだり包まれたりする赤飯と饅頭』

東京から横浜から埼玉に

電話をして塩あんびんを予約していた。東京から来たというと、先日は横浜からもお客さんが来た、という。

湘南新宿ライン程度のスケールの話だが、塩あんびんというのはそれくらいのものなんだろう。


いがまんじゅうとか塩あんびんとか、北関東の和菓子屋さんは独特だ

実際甘くないらしい

なんで甘くないのか?と尋ねたら、昔ここら辺は砂糖が貴重だったから、ということを教えてもらった。

砂糖がないから塩でいいか。逆転の発想だけど、よくそれで周囲の人は納得したものだ。

いや、納得してないのかもしれない。でもとにかくそこから数百年経っている。納得してもしなくても、「もうしょうがない」の域の味にはなっているのだろう。


塩あんびんでかい

焼き餅みたいな感覚で

実際にここら辺の人はよく塩あんびんを買っていくという。

そのまま食べるのもいいが、私は焼いてから食べるのが好きだとお母さんは言っていた。甘いお菓子は他にもあるから、これはしょっぱくていいんだ、という話だった。

餅を焼いて醤油につけて食べるでしょ?あんな感じ。なるほど、そう思うと塩辛くて当然だ。


照れるおばちゃん

塩あんびんといがまんじゅうのちがい

知人の母親が久喜出身で「塩あんびん」と呼ばれていたらしいのですが…と聞くと、この辺でちょっと丸こい女の子をからかうときに「塩あんびん」はよく使われる例えなのよ、と教えてもらった。

対して、いがまんじゅうはどうですか?と聞いてみると、あれはお祭りのときに食べるちょっといいものだから…、とやはり砂糖、砂糖のことなのだろう。

いがまんじゅう=砂糖が入ってる=いいもの、塩あんびん=砂糖入ってない=からかいの対象。

砂糖の貴重さというのはきっと現代では計り知れないものだったのだろうと思いを馳せたりするが、そうでもなかったりもするのだろうなあ。


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