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ちしきの金曜日
 
お子さまランチ対決


究極 VS 至高

大人になると食べる資格を失ってしまう食べ物、お子さまランチ。

子供時代、自分自身がプレイヤーだった頃はただ喜んで食べるのみだったが、大人になって自分の子供がお子さまランチに夢中になってる姿を客観的に見ると、いろいろ思うところがある。

その思ったところを実証してみようと、ある日
「今日はすごいお子さまランチを作るぞ!」
と言った。すると、なぜかかみさんまで
「私も作る。」
と言い出し、対決することになった。

T・斎藤



お子さまランチ概論

お子さまランチを食べる資格を失ってから久しい。
それでしばらくその魅力について忘れていたが、自分の子供がお子さまランチに夢中になるようになって、改めてそのすごさを思い知らされた。

外食の際、子供に
「どこで食べようか?」
と聞けば、必ずお子さまランチがあるところを指名する。次点はちゃんぽんがあるところ。(長崎っ子である我が家の場合)

すっかり外食でのお店選びをかなり左右する重要な要素となっている。


昭和の香り漂う、「ザ・お子さまランチ」な佇まい。

こちらはうちの子供たちから最も篤い支持を受けている「吉宗」というお店のお子さまランチ。

新幹線の器が「いかにも!」。
私の頭の中にあるお子さまランチのイメージとぴったり合致する典型的スタイル。王道ゆえに子供らにもウケてると思われるが、ここまでもっともらしいものは探してみると意外と少ない。


これにおもちゃが付いて、たしか600円切ってる。(安い!)

他にも、うちの子供らが食べたお子さまランチを見て、
まずはその傾向を確認しよう。


こちらは上と同じお店の出前バージョン
洋食店のお子さまランチ1
洋食店のお子さまランチ2
和食店のお子さまランチ1
和食店のお子さまランチ2
うどん屋のお子さまランチ

これらのお子さまランチ、どれも子供は大喜びだったからそれでOK、正解だとは思うが、しかし大人目線で見ると幾つか疑問点も湧いてくる。

まず、揚げ物が多い。
たしかに子供は揚げ物は好きだが、他にも好きなものはたくさんある。たとえばノリ。それからイクラ。ノリなどはあればあるだけ何枚でも欲しがるし、イクラは奪い合いのケンカにまで発展するほど好きだ。

そこで私はこう考えた。

“子供が好きそうなイメージのもの” ではなく、
“子供が本当に好きなもの” で構成したい。


それからサラダ。
お子さまランチに付いてくるサラダはかなりテキトーだと思う。何の工夫もなく、大人と同じような生野菜のサラダが付いてくることが多い。

が、子供はえてして野菜がキライで残しがちだ。
いやキライだからこそ、そこには力を入れずテキトーに飾りとして沿える程度なのかもしれないが、一方、ちょっと工夫をしてやれば喜んで食べたりもする。

子供がちゃんと食べる野菜を入れたい。

 

お子さまランチがウケる理由も分析している。
国旗、おもちゃ、デザートが最初から出てる、ジュース…。
お子さまランチは普通の食事にはないイレギュラーさに溢れている。

子供にウケル要素は遠慮なく取り入れたい。

 

…といったことをお子さまランチを見るたびに考えていたら、
やがて実際に試してみたくなってきた。

なぜ対決するんだ

そこで、ある日
「今日はすごいお子さまランチを作るぞ!」
と宣言、その意図を説明した。

すると、なぜかかみさんまで
「私も作る。」
と言い出したので、
昼はかみさんが、夜は私が作って
どっちが子供にウケるかお子さまランチ対決することにした。


それを聞いた娘(小1)は、こんなものを書いて期待感を表していた。

正直、なぜかみさんが突然やる気を見せたのか
サッパリわからなかった。

…が、しばらくするとこのようなものができあがった。


かみさん作・お子さまランチ

さぁ、ぼくの顔をたべなさい

メインはオムライス。そして定番の顔。
これは子供受けポイントが高そうだ。

周囲には、丸くてかわいいからつい食べてしまうミニトマト、子供でも食べやすい温野菜のブロッコリーを配している。


ゼリーやプチ・シュークリームも同席。

そし甘いものを最初から出すというお子さまランチの常套手段も使っている。その隣には唐揚げの姿も見える。

やばい、負けそうだ。
「お前にこれ以上の物が作れるか?」
という無言のプレッシャーが伝わってくる。


私のはこれだった。

ちなみに、お子さまランチはうちの中でも子供限定で、大人には随分違うものが出てきた。


でも自分でケチャップをかけておかずを並べたら、わりと近づいた。

薄焼き卵の下はチキンライス。

完食。

子供たちはいずれも完食。
特に3歳の息子が野菜も含め全部食べきったのはなかなかすごい。

迎え撃つ至高

夕飯は私の番だ。
夕飯なので正確にはランチではなくディナー。
お子さまディナーだ。


お品書きとかできてるし。

昼食と夕食の間に、創作意欲旺盛な娘がまたなにやら作っていた。


なんじゃこりゃ。

んで、私が作ったのがこちら。


T斎藤作・お子さまランチ

解説しよう。


ポイントは旗。

まずは丸まったごはんに国旗。
お子さまランチと言えばなんと言っても国旗だ。
これさえ立っていればどんなごはんだって
「お子さまランチ…かな?」
くらいにはなる魔法のアイテム。(⇒参考画像

丸まったごはんは、小さめのおむすび。
中に昆布が入っている。
巻くための海苔も付いている。

ごはんは不思議なことに丸くしただけで子供たちが喜ぶ。
また、海苔で大喜びする大人はあまり見たことがないが、こちらも不思議なほど子供たちは大好きだ。


エビフライにはリボンを巻いた。

娘が無類のエビ好きなので、エビフライを投入。お子さまランチの揚げ物には疑問を呈する立場だったくせにエビフライ入れちゃうの?って感もあるが、尻尾まで残さず食べるくらいのエビ好きなのでこれは仕方がない。

ワンポイントとして、リボンを巻いてみた。
これは昨年のクリスマスに買ったリボン付きの肉が子供たちに大ウケだったことを思い出し、真似てみた。


おもちゃ付き。

おもちゃは最も重要な要素かもしれない。

これは、「何がもらえるかわからない」のがミソだと思うが、買い出しに子供たちが付いてきてしまったので、しかたなく自分で選ばせた。

それだけならまだしも、3歳児は買ったものを手に持つと言って聞かず、結局昼からずーっと手に持っていた。(開封するのだけはなんとか夕飯まで我慢させた)


小学1年生の娘はエンピツキャップ。

ふりかけ、串に刺さったサラダ。

ふりかけというのもまた、大人が不思議に思うくらい子供が大好きな食べ物だ。

キュウリはハム、ウズラの卵と共に串に刺した。
これは二人とも真っ先に平らげていた。


シシャモ。

おかずが少ないような気がしたのでシシャモも焼いた。
(イクラが売ってなかったので)
また今回入れてないが、しらす干しも子供たちが大好きだ。魚のカタチがよくわかる点がポイントではないだろうかと思っている。

シシャモの横にはゼリーもある。


サラダは別皿にした。

サラダは別皿にしてメインディッシュより前に出し、
「テーブルの上にはサラダしか食べるものがない」
という状況にしてやるとよく食べる。

これは我が家で実践してる「子供に野菜を食べさせる秘策」なのだが、今回はバタバタしてて順番に出すのを忘れ、メインディッシュと一緒に出してしまった。

それと最近、「キューピーのドレッシングがうまい」ということに気づき始めた様子で、それをかけてやるとよく食べる。


取って付けたようにワカメスープ。
味噌汁は残しがちなくせに、なぜかこれは大好き。

以上が、私が作ったお子さまランチの内容である。


こういう感じの定食ってあるよね。

大人用の盛りつけはここでもやはり超テキトー。


なかなか楽しそうに食べてるな。

小学一年生の娘は完食。(シシャモの頭は残さんでもいいのに)

3歳にはさすがにちょっと多かったか。

丸めたごはんは、1つで小さい茶碗に一杯弱くらいあるので、これだけでごはん3杯分近くある。さすがに3歳児には少し多かったようだ。

次は、大人用お子さまランチを作りたい

あれこれ考えていたわりには、できあがったものはわりと普通の「自分で作りました」的なお子さまランチに落ち着いてしまったように思う。もっと変わったビジュアルのものを期待した人、ごめんなさい。

しかし、どんな風にしようかな〜と考える行程は楽しかった。今回は自分用を作る余裕まではなかったが、家で作れば大人でもお子さまランチを食べることができる。オマケだって付け放題だ。なんだったらデジカメとかつけたっていい。…あ、そっちの方が面白かったかも。。

対決の勝敗については各自、心の中でなんとなくつけてください。


 
 

 

 
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