陰部という呼ばれ方もあるように、それは世において秘され、隠される。そんな後ろ暗さを拭い去ろうとしたかのようにあしらわれた花鉢。
さらに後ろには雄大な自然の風景も見える。
しかしそれで、小さく見える文字列の意味を打ち消すことができるだろうか。無駄な抵抗でしかないのではないか。
頭の中にはそんな否定的な解釈も湧いてきてしまう。もう一度、遠景から順に確かめよう。緑豊かな自然、花冠を戴いた花器、そして左上のCHINCO。
混沌と均衡とが溶け合ったような一枚。いよいよ言ってることがわからないのは、心に和解が訪れたからだと解釈して、この旅を終えることにしよう。 |