半駅で次の電車がくるのは車間距離狭すぎだろう、と思うが、実際にはゴーストが生きているのは昨日の世界。一日の時間経過があるのだった。しかしイヤフォンごしのこの臨場感は、到底そうは思えない程のリアリティ。
ゴーストの電車で女性がなにかおしゃべりをしているのがきこえてくる。習い事の話をしているみたいだ。録音ファイルには音声丸ごと収録しているので情報量はかなりあるのだが、必ずしも場所を表す音ばかりではない。その中から取捨選択して相手の居場所を推理しなければならず、競争中ずっと頭もフル稼働だ。
いろんな音を総合的に判断して、敵の所在地を割り出し、でもまたすぐわからなくなって、ある瞬間に急にまたわかって…。という繰り返しがどうしようもなく胸をハラハラさせる。 |