山ブームだそうだ。どうりで、街に「山ガール」があふれかえっていると思った。
ブームはさておき、自分も山登りをしてみたい、とは思う。秋晴れの空のもと、自然の中に身を置くのは楽しい。生きてる実感がわく。
しかしなにぶん山登りの初心者なので、まずは登りやすい、低い山から徐々に挑戦し、ならしていきたい。となるとまず、こんな山から始めるのがいいのではないか。
(乙幡 啓子)
山よりこっちがお楽しみであった
その山は、四国は香川県にある。香川に行くには、自分ならアレしかない。寝台電車「サンライズ瀬戸」だ。途中岡山までつながって走る「サンライズ出雲」には、過去何回か乗って終点の出雲市まで行ったこともあるが、「〜瀬戸」には乗り切ったことがない。一度乗ってみたかったのだ。
今回、高松近辺に行くとあって、これ幸いとキップを買った。この時点で「山登りに行く」という本来の目的を忘れている。まあこの山の場合、道中から到着までずっとそんな感じではある。
初めての四国、お迎えは松
途中の車窓からは、松が妙に多く見られた。しかも、小さい松が野菜に混じって、野菜顔をして畑に並んでいる。
通り過ぎた看板などから、沿線の鬼無地区は全国有数の盆栽松の産地ということがわかった。こんなふうに一列に畑に植わっている松、初めて見た。
時刻は朝の8時前で、通勤・通学客が非常に多い。彼らに混じって、駅の立ち食いうどん屋で朝飯にしよう。立ち食いうどんといってもここは香川、うどんには期待が高まる。
さっそく香川県の東の端、その名も東かがわ市に向かうことにしよう。