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はっけんの水曜日
 
行川アイランドのフラミンゴ続報


鴨川の石渡製菓にて、フラミンゴを起こしてくれた社長。

以前「行川アイランドのフラミンゴを探す旅」という記事を書いた。2000年に閉園した行川アイランド(※)の駐車場にあったフラミンゴオブジェが近隣の民家に散らばっているので、それを探そうという内容だ。

結果として5カ所で合計7体のフラミンゴを見つける事が出来た。でも行川アイランドのすぐお隣、小湊や鴨川では見つける事が出来なかった(ろくに探して無いとも言う)。

だがしかし!今回地元の友達が何カ所か見つけてくれたというのだ!

取材班は外房線に乗り込みフラミンゴ狩りに出かけた。

※…ディズニーランドと鴨川シーワールドが出来る前は千葉最高峰のレジャー施設だった。今では行川アイランド駅として名前と、閉園後の廃墟だけが残る存在。

松本 圭司



子供には多分初めて会ったけど、二人の顔を合わせた顔してて面白かった。

案内人は僕の幼馴染みです

今回案内してくれたのはKさんご一家。僕とはどういう関係かというと、旦那さんも10年くらい前、確か結婚する前から知っているが、奥さんは幼稚園以来の友達なのだ。

小湊(僕が生まれ育った町)には幼稚園も小学校も中学校も一つしかなかったので(今は中学が無くなりました)、大体どの友達も中学までは同じとこに行く。だからクラス全員幼馴染みだったりする。

今回はKさんの友達の郵便配達員さんや、Kさん自身が見つけたフラミンゴへ案内してくれるという。郵便屋さんといえば街をくまなく知っているはずの、いわば街のプロ。期待できる。

では早速いってみましょー。


庭が超キレイになっていた。

まず最初は鵜原

まずは鵜原(ライターの小野さんが海で寝てた近く)で見つけたというフラミンゴへ。そういえば前回も鵜原で1体見つけたなー、なんつってたら、前回の記事の4ページ目で訪れた家に着いた。そういえば正確な場所は伝えてなかったので、かぶってしまったのだった。

でも、前に来たときはまだ庭が出来上がっていなくてフラミンゴも庭の隅で倒れてた。4ヶ月経ち、すっかりキレイになった庭の花壇。そこにフラミンゴが立っていた。これが本来の姿なのだ。

かっこいい。やっぱいいな、これ。ますます欲しくなってしまった。


出来上がった庭に飾られたフラミンゴ。道路からも見える位置になった。Kさんは車で走ってるときに見つけたそうだ。

ちゃんと足下が固定されていて安定しています。

勝手に写真撮るのもなんだし、庭に入って近くで写真撮りたかったのでベルを鳴らしてみた。すると前回来た時に話を聞かせてくれたおばあちゃんが出てきた。

あらまぁ、せんだっては、なんて僕らのことを覚えてくれていた。そりゃフラミンゴの写真撮らせろなんて人間はあまり多くないだろう。っていうか何度も来ちゃって、どう考えてもおかしな人だ。

すっかりキレイになりましたねー、なんて若干大きなお世話の世間話をした。行川アイランドに勤めていたという息子さんには会えなかった。

次は小湊の少し南、天津(あまつ)だ。かつての天津小湊町の片割れである。そこにフラミンゴがあるのだという。

 

川に面した家の庭にあった

次は天津だ。よく「てんしん」って読まれるが違う。「あまつ」が正解で、甘栗も天津飯も名物じゃない。昔は天津村だったのが小湊村とくっついて天津小湊町になり、今は鴨川市に吸収されて鴨川市の一部になった。

東京から小湊に行くときは勝浦も鵜原も興津も行川アイランド(全部外房線の駅名です)も通るので馴染みがあるが、天津は通らない。小湊から鴨川に行くときはバイパス道を通るので、同様に天津の町なかは通らない。

だからだろうか、前回は天津の町でフラミンゴを探そうという発想すら無かった。でも実はあったのだ。


まさか天津にフラミンゴがあったとはなぁ。探そうって気にもならなかったよ。

 

盆栽に囲まれたフラミンゴさん。状態は良好です。

案内された家は、Kさんの友達(僕と共通の友達)の子供の友達の家だそうだ。他人と言えば他人だけど繋がっていると言えば繋がっている。いや、やっぱ他人か。

川に面していて写真を撮るには遠かったので、家の人に断って写真を撮らせてもらう事にした。出てくれたのは家の娘さん。足下では犬が大はしゃぎしていた。聞いてみると、フラミンゴがどういう経緯であるのかは知らないという。

庭には盆栽や鉢植え、メダカの水槽などが所狭しと並べられていた。大変に趣味的な庭だ。主にお父さんとおじいちゃんの趣味だというので、フラミンゴも同様にお父さんかおじいちゃん、あるいは両方の仕業なのだろう。

大はしゃぎが止まらない犬と娘さんにお礼を言って次の場所へ。


ズラリと並んだ鉢植え。趣味の庭ですなぁ。
コチラはメダカ。僕の父もメダカを育てていたが、メダカって面白いのかな。僕もやってみるか。

 

あと3体を鴨川で確認

次は鴨川。鴨川って一口に言うと、今は鴨川市の一部になっている小湊や天津も入ってしまってややこしいのだけど、地元的な感覚でいうと亀田病院のあたりから南、太海フラワーセンターのあたりまでを鴨川という。



大きな地図で見る
どうでも良いと思うけど確認しておくんな。

さて、その鴨川にもフラミンゴがあり、Kさんの友達で郵便配達をしてる人が見つけてくれたというので連れて行ってもらった。流石郵便屋さんだけあって、目立たないとこにあるフラミンゴも見つけていた。

和風の庭で松に囲まれたフラミンゴ。ギャップがいいね。

フラミンゴ的にはあり得ないシチュエーション。

郵便屋さんからは住所しか聞いてなかったそうだけど、案外簡単に見つかった。和風の庭に置かれたフラミンゴはなんとも場違いでかわいらしい。

ここでも家の人に話を聞こうとベルを鳴らして待ったけど、どうやら留守だった。残念。どうしてここにフラミンゴがあるのかとか聞きたかったのだが。

残念だし写真だけだと地味なので、プルプル立体写真にしてみました。


今話題の裸眼立体視です(違う)。

ココにあったはずとの事。

お次は県道沿いの鯛せんべい屋さん

次は、鴨川有料道路に繋がっている県道24号線沿いにある石渡製菓の駐車場にあるというので行ってみた。けど、着いてみるとそこにフラミンゴはいなかった。

以前はたしかに駐車場の隅にフラミンゴが立っていたらしいのだけど、行ってみるとロッテ優勝ののぼりが立つのみだった。はて?と思って車を停めて駐車場の奥を調べてみると、フラミンゴが倒れていた。

あ、こんなとこにあったのか。とりあえず記念撮影。


7月はちゃんと立っていたという証拠写真(Kさん撮影)。
倒れてました。

フラミンゴをオブジェを探して記念撮影をするのが趣味です。結構デカイでしょ。2m以上あるし、ステンレス製なので重い。

 

社長自らフラミンゴを今後の予定地へ移動してくれた。

なんか熱い感じの社長でした。

さて、どうしてフラミンゴはこんな事になっているのか。

ここは鯛せんべいを売っているお店なので(鯛せんべいは本来小湊の銘菓だけど鴨川でも製造販売してる)、お店の人に聞いてみることにした。そしたら、社長が出てきてくれた。というか社長しかいなかったんだけど。

聞いてみると、なんとこのフラミンゴは行川アイランドが閉園する5年前に園長からもらったものだと言う。これまでは大体閉園の時にタダでもらったものだったが、これは事情が違うようだ。

なんでもこういう話らしい。

行川アイランドがまだ営業していた頃、社長は行川アイランドの営業に大変貢献したのだそうだ。それで園長から、お礼になにか差し上げましょうという事になって、じゃあフラミンゴのオブジェをください、という話に。ちなみに制作費は1体30万円だそうな。

そういう経緯でオブジェをもらって店に飾ったのだけど、親切な人がいちいち行川アイランドに「おたくのフラミンゴが盗まれて鴨川にありますよ!」って通報するもんだから、困ってしまった。それで、正式に譲渡の契約書を交わしたのだという。

契約書を交わすと通報がなくなるのかどうかは判らないのだけど、これは盗んだわけじゃ無く正式に譲り受けたものだ、という話だったのだと思う。

当時は社長が「行川アイランドからフラミンゴをもらってくるぞ!」と従業員に言ったら本物の鳥かと勘違いされて大騒ぎになった、なんて事もあったらしい。同じように見えるフラミンゴオブジェでも、聞いてみると色んなエピソードがあって面白い。


鯛せんべいの原盤(金型)を見せてくれた。鯛せんべい作り体験コーナーで自分で作れるらしいよ。
オリジナルの鴨川観光マップ。鴨川の発展に貢献したくて作ったそうです。

鯛せんべいと、なぜかシャボン玉もらいました。

それで、どうしてフラミンゴが駐車場の隅で倒れていたのか?

簡単に言うと、「潰れた行川アイランドの物を飾っておくのは縁起が悪いから」だそうな。

取材に行ったとき、お店は休みだった。店の隣にある事務所を改装していて、店に事務所の机などを入れていて営業できなかったのだ。事務所の改装や、その他付随施設の再建をしている大事な時期なので、不吉に思えるフラミンゴは表舞台から降りてもらったと、そういう事情なのだった。

いらないなら欲しいな、と思って「フラミンゴはどうするんですか?」って聞いたら、いずれは上の写真のように「海のお友達」と書かれた看板の前に飾るという話だった。え、海?

縁起を担いで撤去、海のお友達としてのフラミンゴ、いずれまた飾る・・・なんか色々引っかかる点はあるがそういう事らしいので、しばらくして石渡製菓に行ったらまたフラミンゴが見られるかも知れません。


なんで駐車場の看板に鴨川富士?って聞いたら、後ろを指さして
あれが「鴨川富士です」って教えてくれた。少しのっぺりしているが。

雑多な感じで置かれたフラミンゴ。ほこりはかぶっているが雨風に晒されてない様で状態は非常に良い。

最後は民家の玄関にありました

最後は鴨川の貝渚というところ。これで「かいすか」って読むんですよ。近くに親戚が住んでて何度か行ったことがあるので街並みが懐かしかった。

住所をiPhoneで検索して行ってみると、民家の玄関近くにフラミンゴが立っていた。ウェットスーツが掛っていて、なんともガラクタ感あふれるフラミンゴだ。

お話を伺おうとしたのだけど、こちらも留守。残念ながらフラミンゴエピソードを聞くことは出来なかった。

あまりフラミンゴの話は聞けなかったけど、今回はこれでご新規4体目。なかなかの成果だった。

では、まとめです。


残念ながらお話を伺う事は出来ず。残念!

今後も探し続けます

以上、5体、未知のフラミンゴ4体が今回の収穫です。これで前回とあわせて11体。駐車場には推定50体はあったはずなので、今後もフラミンゴ情報がありましたら情報お待ちしています!

今のところ、南は鴨川、北は勝浦なのでそれより遠くで見た方がいたら情報を!

「デイリーポータルZ行川アイランドのフラミンゴを探せ!係」まで(そんな係はないか)。 フラミンゴシリーズに次回があるかは未定です。

貝渚の電柱についていた夏みかん。なんのおまじない?

 
 

 

 
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