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ひらめきの月曜日
 
葛藤!オシャレ食べ放題


 

ビュッフェやバイキング、つまりは食べ放題が好きでよく行く。もう若者というわけではないのに、好きなものを好きなだけ食べられるのがうれしい。

「がっつり食べるぞー」と気合い十分で訪れる食べ放題。しかし、店によってはそういう気合いがどうも空回りする場合もある。オシャレ系食べ放題とでも言えばいいだろうか。

もりもり食べたい、でもなんかオシャレ。そこで生じる葛藤。今回はそういう自分の心と向き合ってみたい。

小野法師丸



食べ放題で感じるアウェイ

小学生の頃、叔父にホテルのバイキングに連れて行ってもらって、帰り道で電柱に吐いた。飲み過ぎたおっさんみたいなバイキングデビュー以来、今でも楽しみに行く食べ放題。

好きなものをたくさん食べられるうれしさでワクワクして行くのだが、そういう浮つきぶりに待ったをかけられるような場合がある。店がオシャレなときだ。


ファイティングポーズをとって臨みたい
うなりを上げるオシャレ感

今回はそういう環境にあえて飛び込んで、自分の葛藤を見つめてみたい。まずやってきたのは、青山にある「フィアット・カフェ」というお店。埼玉県民の私としては、場所柄からしてすでに心 がきしむ音が聞こえ始める。

1階はイタリア車、フィアットのショールーム。その様子を横目に見ながら2階のレストラン&カフェフロアに上がるのだが、直視すると食欲が なくなるほどかっこいい。気をしっかりもて、自分。


自分の辞書には表現する言葉が見当たらない
アーバン&リラックス(ごめんもうわかんない)

店内のインテリアも、これでもかとおしゃれ。選択の都合上それしかなかったとは言え、変な色の靴下履いてきてすみませんでしたと謝りたくなる勢いだ。

こういう雰囲気の店で食べ放題というのは意外に思えるかも知れない。実はここ、いつも食べ放題をしているわけでない。当日は「アペリティーボ」というレストランイベントをしていたのだ。


さあ、葛藤タイムの始まりだ
野菜スティックも居酒屋とは違う盛り方

もともとはイタリアで、食前酒、また、共に出される軽いおつまみのことを指す「アペリティーボ」。軽食についてはビュッフェスタイルで提供されるのが、このスタイルの発祥地ミラノでのトレンドのようだ。

このイベントでも2000円のエントランスフィーでドリンク一杯に加えて、軽食を自由に食べられる。これはお得感がある。


あ、愛のエリキシールか…
席のテーブルにもウィットが


食べ放題って聞いたんですけど…
心のせめぎ合いでこの目つき

このイベントにはイタリアの食材を紹介するという意味合いもあるらしく、ドリンクには日本未発売のリキュールなども揃えられていた。「愛のエリキシール」と謳われ ているものらしい。

ソーダ割りでオーダーしたところ、実においしい。「普段からお酒をほとんど飲まない自分には味なんてよくわかんないんだから 、おいしいって思うしかないだろ」と自分に言い聞かせつつ、実際においしい。

前菜類もこじゃれてる。フリーフードなんだからルール的にはたくさん食べていいはず。ただ、ルール以外の全ての要素が 、このオシャレな店にいる自分に見えない糸として絡みついてくる。


主食系も顔を見せる
謎のタレがうまい

軽食と言っても、ピザやパスタといったおなかに溜まる系の料理も登場するので、ちゃんとした夕食代わりになるようなラインナップだ。本場ミラノでもこのように食事の体をなすようなものが 人気を集めているらしい。

野菜スティックにつけて食べるソースはいくつかある中、写真のディップがカニ味噌みたいな味がしておいしかった。ここでカニ味噌はないだろ、と 自問しながら食べるのだが、何度食べてもカニ味噌みたいでおいしい。

どれも大変美味なのだが、もう少しガツンと来るものも欲しい。そう思っているところに、店員さんが新しい皿を運んできた。


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