はじめは大きかった
生まれたときからここに住んでいるというご主人は、やっぱり子供の頃は大きく感じていたそうだ。「毎日見てると、だんだん小さくなっていくんだよね。でも自宅の庭のカエデの木も同じで、だんだん幹が細くなっていく。それって自分が大きくなってるからそう感じるだけで、大人になってから実はかわいい大仏様だったんだなって思った」
同じだ、すごくわかります、とちょっと感激してしまった。こんなふうに、地元の人に具体的な魅力を聞いてもみんな結局は「小さい」というだけだ。果たしてそれは魅力なのかしら、という話なのだが、ここで成長した人にとっては、毎日そばにある大きい物を追い越したという事で(実際は追い越してないけど)、自分が大きくなった実感をひしひしと感じる事ができる。これが奈良の大仏ならいつまでも大きな大仏様だと思う。 |