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ちしきの金曜日
 
関西人Meets武蔵野うどん

武蔵野うどん「うまかっぺ」

今回向かったのは、JR川口駅前にある「うまかっぺ」という店。チェーン店だが、ここも中々うまい。


ラーメンチェーン、ハイデイ日高の一業態
汁うどん」を注文。ラーメンで言うと「ネギチャーシューメン」くらいのランクのメニュー

正直言うと、このお店は自分の中のベストではない。しかし万が一、物凄く悪い反応が返ってきた時に、「あそこはベストじゃなかったから」と心の中で自分を守れる。そういう使い道もあるのだ。

尾張さんには「ここが行き易いので」と言っておいた。


「どんなうどん出て来るんやろ」

「武蔵野うどんを食べてうまいと言ってもらう企画です」と説明してあるので、尾張さんは「武蔵野うどんがまずいものだ」と思い込んでいるようだ。

ここに来る直前に、腹が減ったのでコンビニのチキンを一つ食べた、と言っていた。期待度の低さがうかがえる。

しかし、すぐにそのチキンを後悔することになるだろう。うまいんだぜ、武蔵野うどんは。

 

妄想と現実

ここから尾張さんのリアクションを見てもらうのですが、僕なりに「こういう風な反応があったらいいなあ」と思うところが事前にいろいろあったので、そこのところをイラストで左に、実際の反応を写真で右に載せます。


まず見た目にツッコミをいれるだろう
「へー普通に美味そうですね」

真黒の汁。ここで関西人の尾張さんに拒絶反応が出るかと思ったら全然出なかった。聞いてみたら「東京の(関東の)うどんを食べたことが無いから別に先入観無いですね」とのこと。


最初は文句を言って欲しい
「うまいじゃないですか」

見た目の次は、味だ。僕としては、武蔵野うどん特有の過剰な味付けに、尾張さんが最初は引くんじゃないのかな、と思っていた。

でも一口目から「うまい」って言いだした。


抗えない感じででガツガツ行って欲しい
「コシがあっておいしいですね」

僕としては「最初は文句を言っているけれども次第に武蔵野うどんの味に引き込まれてゆく」みたいな展開があったらいいなあ、と思っていた。

でも一口目から「うまい」って言ってしまっている。


認めたくない、という反応が当然あるだろう
「これでこの値段は安いですよね」

武蔵野うどんはうまいが、大阪のとは全く違う味がする。そんな葛藤の末に、イヤミの一つでも言ってくれると良いなあ、と思っていた。

でもここで尾張さんは値段を褒めた。確かに、これだけ肉とネギがたくさん入っていて、570円というのはすごく安いと思う。とても冷静な感想だ。


でも最後に決めて欲しいな
「関西のとは別物って感じでうまかったです」

イヤミを言った後に、ボソっと一言、敵を認めるような発言があれば良いなあ、と思っていた。

でもまあ、普通においしかったそうだ(ただし関西のとは別物、だそうである)。

というか、僕が事前に想定していた尾張さんのキャラクター(左側のイラスト)は一体なんなんだ。こんな人間、マンガの中にしかいないぞ。


尾張さん(ならびに大阪の人)すみません

大阪のうどんと武蔵野うどんはどっちが美味いか

最後に「お昼時に、関西風のうどんと、武蔵野うどんの店が両隣にあったら、どっち行きますか」と聞いてみた。

「それは気分によるし、店によります」
「大阪でもまずい店ってありますからね」
「どっちが上ってことはないですよ」
「今日食べた武蔵野うどんはうまいですよ」

とのことである。

今回の企画の趣旨は「関西人に武蔵野うどんを認めさせる」だった。尾張さんは一応認めてくれたが、巧妙に核心部分を外したコメントとも受け取れる。

上手く言えないんですが、生身の人間というのは難しいし、現実は複雑だな、と思いました。

武蔵野うどん食べると喉が乾きますよね

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