ロックフィルダムは、まずコアという粘土質の壁で遮水する。しかし粘土の壁だけだと水圧で倒れてしまうので、ロックという岩の山を造って、上流側と下流側から支えている。
つまり、ここでは工藤さんがコア、石川さんと安藤さんはロックの山ということになる。正確には、コアが流れ出さないように、コアとロックの間にフィルターという、細かい石や砂の層もあるのだけど、手が足りないので、工藤さんの洋服ということにしておいていただきたい。
ところで、なぜコンクリートではなく土や岩でダムを造るのか。実はそれが岩盤の強弱に関係している。コンクリートダムを造れないほど岩盤が弱い場所にダムを造る場合、たいていロックフィルダムが選択される。なぜなら、ロックフィルダムは岩山が崩れないようになだらかに造るので、体積が大きくなり、底面積も大きくなる。したがって、水圧をより広い範囲で抵抗することになるので、ひとつひとつの場所ではかかる力が弱くて済むのだ。
表面遮水壁型ロックフィルダム
ロックフィルダムにはセンターコア型のほかに、もうひとつ代表的な形式がある。それがこの表面遮水壁型だ。 |