季節ものから情に訴えるものまで、じつに多種多様である。
風船、自転車くらまではわかる、なんだ家族の悲しさ、って。
まあ見てみよう。
自転車にハズレなし
まずは年末年始の風景から。
年越しそば用のかき揚げ。
こういうずらりと並んだものを3Dで撮るとじつに気持ちよく飛び出してくれる。あとコツとしては、実際に手を伸ばして届く距離のものを撮るとよい。そうすると出来た写真も手を伸ばすと触れるんじゃないかという立体感が出るのだ。
この法則に加え、元来飛び出しやすい性質を持つモチーフもある。
たとえばこちら、自転車。
なぜだかわからないが自転車は3D向けなのだ。撮るとまずハズレなくいい飛び出し方をしてくれる。フレームとかスポークとかハンドルとか、棒状の物の集合体だからだろうか。棒で出来たものは3D写真向け、という仮説を提唱したい。
ちょっと渋いテーマも現れた。
路地である。今のところ主にライター加藤まさゆきさんが撮りためてくれている。
3Dで見ると確かに奥行きを感じる。
このくらいの狭さが立体感を表現するにはちょうどいいのかもしれない。路地からさらに狭くなってビルとビルの谷間の写真もあるのだけれど、こちらもやはり吸い込まれそうなほどの奥行きを感じる。
3Dというとどうしてもイルカが飛び出したりする派手なのをイメージしがちだが、地味なものを撮っても十分面白いということがわかる。
飛び出してるものを撮るのが近道
先ほどの「手に触れられる距離のものを撮るとよく飛び出す」の法則にのっとった写真を一枚紹介しておきたい。
こちら
ビッと飛び出してくる。レゴでトラを作っちゃうのもすごいのだけれど、それが飛び出してくると製作の苦労よりも飛び出してきたことのすごさに感動がシフトしてくる。3D写真は物事を多面的に見る手段なのかもしれない。
小難しく言ってみたが、要するに写真が飛び出すのすごい、ってことだ。ピックアップのコーナーにも書いたが、もともと飛び出してるものを撮るとやはりよく飛び出す。当たり前なのだが、実際に目で見るとこれもなかなか感動する。
あごの飛び出しは2Dで見ると単なる肌色の物体にすぎないだろう。しかし3Dで見るとこっちに迫ってくるのだ。あごすごい。きっとあごも3Dで撮られたがっていたはずだ。
3D写真を撮るコツ、みたいな技術寄りの話になってしまったので勢いでもう一つ話すと、狙ったものの後ろに空間をあけるとより飛び出して見えるようだ。
例えばこちら
手前の葉っぱ、そして後ろの景色が遠くまで開けていることで、猫の飛び出し具合が強調されている。3Dの見本みたいな写真である。
難解なテーマもある
さてここからテーマは3Dであるかどうか以前の問題をはらんだものに入っていく。
まずはこちら、テーマは「やっつけ仕事で問題先送り!」
確かに「合カギ作り」が飛び出しているが、それより前の部分でいろいろ感じるところがある。「やっつけ仕事で問題先送り!」はぜひクラブ活動とかで時間をかけて追い続けて欲しいテーマである。今後の展開に注目したい。
最後にライター大北さんが設定したテーマ「ショーウィンドウ前の家族の悲しさ」。
飛び出す悲壮感。3Dをこういう情に訴える手段に使ったのはこのサイトが初めてではないかと思う。 |