なるべく言わないにこしたことはないものの、お酒とか入っちゃうとついつい口から出てしまう「悪口」。
そんな悪口をおおっぴらに言いまくってオッケーなお祭りがあるそうです。その名も「悪口(あくたい)まつり」! しかも大晦日の夜から元旦にかけて行われているんだとか……うーん、気になる! こりゃ、行くしかないでしょう。
(絵と文:北村ヂン)
悪口を言いまくる祭り!?
栃木県足利市にある最勝寺で12月31〜1月1日にかけて行われる「大岩毘沙門天悪口祭り」。
「悪口祭り」というだけに、みんなで悪口をいいまくりの珍奇なお祭りなのかな、と思い調べてみたところ……その通りでした。ワオッ、直球ネーミング!
会場にやって来て早速気になったのがコレ。「悪口大声コンクール大会」!?
大声で悪口を叫んで、一番大きな声だった人が優勝という大会らしく、メインの「悪口祭り」に先駆けて毎年行われているんだとか。
しかも優勝賞金が一万円! ちょろっと悪口を叫ぶだけで一万円って、コレはすごく魅力的。ここまで来た交通費を余裕で取り戻せますよ! 参加するしかないでしょう。
実は、声の大きさには自信があるんですよね。どうも僕の声、すごく通る声らしくて、酔っぱらってウヒャウヒャゲハゲハ盛り上がってると超うるさい、と非常に評判が悪いもんで……。
そんな、バカうるっせー声も今日ばかりは 頼りになる武器です。人生プラマイ・ゼロだね!
さて、こちらが大会への参加受付。大晦日だっていうのに結構な人数が並んでます。地元の人たちにとっては、もう恒例行事になってるらしいですよ。
それだけに、この大会への気合いも入りまくっているようで……。
こんな大声大会攻略法が色んなところでささやかれていました。
色んな人の意見を総合してみると、騒音測定器をビンビンに反応させるためには
……とのこと。まあみなさん、特に根拠があるわけじゃなさそうでしたが。
しかし、騒音測定器に反応しやすいのはどんな声か、そしてどんな言葉が反応するのか、なんてこと今までの人生で一度も考えたことありませんでしたよ。
どんなことでも真剣に取り組むと(お金が絡むと)奥深い世界が見えてくるもんですなぁ。
さてさて、参加者の受付も終わり、会場の設営がはじまりました。コレがステージ……ザ・手作り感!
このステージの上に立ち、少し離れた場所に設置された測定器に向かって思いっきり悪口を叫ぶわけです。
沢山の観客に囲まれる中で、己のパッション&ストレスを全開にして吐き出すというのは、妙な緊張感がありますね。
叫ぶ悪口の内容は基本的に自由なんですが、まあ衆人環視の中、そんなに具体的な悪口を言うわけにもいかないので、ほとんどの人は「バカヤロー!」(ア行&濁音が入ってる!)とか「くそったれー!」的な言葉を叫んでいました。
時々、「部長のアホー!」「ボーナス上げろー!」「管(総理)のヘタレー!」といったパッション丸出しな悪口が飛び出すと、がぜん会場が盛り上がるんですけどね。
中でもボクがグッと心をわしづかみにされてしまったのが、こんなことを叫んでいた女性。
ま、この大会はあくまで「声の大きさ」を競うものなので、悪口の内容は特に関係ないんですけど。
さて肝心の声の大きさは、ひとり叫ぶたびに「○○ホーンです」と記録が読み上げられるのですが、なんとなく「100ホーンの壁」というのがあるような気がします。
記録が80〜90ホーン台だと「ああー……」みたいな反応、ところが100ホーンを超えると観客から拍手が起こるんですよ。ということで、ボクもなんとか100ホーン・オーバーは狙いたいところ。
気になる声の大きさは104ホーン! なんとか100ホーン・オーバー達成しました。
100ホーン台後半〜110ホーン台に突入した優勝争いには全然引っかかりませんでしたが、まあまあいい成績じゃないかと。
それにしても、ギャラ=アイドルって発想はどうなんでしょう……。中途半端なネタでボクをいじらないでっ!