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土曜ワイド工場
 
壮大な氷柱の前でちまちまと針に糸を通す

氷柱へ

バスを降りると空気が冷たくて驚いた。
普段は猫背の僕の背筋が少し伸びた気がした。ここからは20分ほど歩かなければならない。ネックウォーマーを口元まであげて歩く。風も冷たい。ふと下を見ると氷柱が見える。やっぱりこの辺は寒いのだ。


目的地前から氷柱発見!

この辺りは高い山々がそびえ、日の光は一日のわずかしか当たらず、1690年頃は田が一枚も無かったそうだ。またエレキテルで有名な平賀源内はこの辺りに滞在して、金脈を探したと記録が残っている。でも、結局は見つからなかった。

18世紀頃からは山の木々を使い炭焼きが始まり明治・大正の期に入るとその炭焼きは隆盛を極めたらしい。ただ今はすれ違う人も稀で、たまに車が通るだけの寂しい道をひとり歩いた。


氷柱と金脈を探しながら歩く

下を流れる川を見ると、本流は流れているけれど、その脇の海で言うところの潮溜まり的なものは完全に凍っている。寒いのはもう体感で分かっているけれど、そういうものを見るとやっぱり寒いんだと余計に寒く感じた。


20分ほど歩いて無事到着!

そして、ご対面!

圧巻!

入り口から川の方へ下って行くと氷柱が目の前に現れた。
思っていた以上に長い。数もたくさんあってその迫力に驚かされる。風を特別冷たく感じたけれど、なんだか心地よかった。ここまで遠かったけれど来てよかったと心から思った。やっぱりデカいのはテンションがあがる。


デカい、綺麗、いっぱいある!

氷はってる! スケート! スケート!

氷柱に満足したら今度は水が凍っていることに興奮し始めた。周りには10人くらいの観光客がいるけれど、その迫力に言葉を失っていたり、カメラのファインダーを覗いていたりでみんな静かだ。あ〜騒ぎたい。僕は南国育ちなので凍っていると珍しくてテンションが上がるらしい。


本流も凍ってる!

氷! 氷!

騒いだ後は針に糸を通す

壮大な氷柱をバックにちまちまと針に糸を通す。
やっぱり今までとは比べ物にならないくらいに寒い。風も冷たい(もっとも、そうじゃないとこんなに極長の氷柱は出来ないだろう)。さらにはしゃいだけれど、水に手を入れたり、氷を持ったりしたせいで手はすっかりかじかんでしまっている。針に糸を通す環境としては良いとは言えない。


でも、頑張る

通った!

かじかんだ手では手元が定まらず「35秒」を要した。
しかし全然許容範囲のタイムではないだろうか。実は後日、家で針に糸を通したら「1分」もかかったのだ。もちろんここより家の方が暖かい。

つまりこの実験で分かったことは「寒さと針に糸を通す時間はほとんど関係ない」と言うことだ。外でも裁縫は問題なく出来るということだ。そして綺麗な氷柱を見ながらの裁縫は乙なものかもしれない。


せっかくなので、氷柱をバックにボタン付けも

出来た!

氷柱は素晴らしい!

「三十槌の氷柱」は聞いていた以上に綺麗だった。
今年は寒いおかげで氷柱の出来具合が僕が行った時点で9分と例年より早いようだ。通常の見ごろは1月下旬から2月中旬。また1月21日〜2月13日までは夜ライトアップされるそうだ(詳しくはコチラ)。

寒くても針に糸は意外と早く通るということが分かったのは発見だった。
ちなみに、「三十槌の氷柱」では温度計は3度を指していた。風もあったので体感温度はもう少し低いと思う。

しかし暖かくても寒くても通す時間にあまり違いは無い。
外でも裁縫は出来るということだ。あとは若干恥かしいという問題だ。なんで僕は「鬼のパンツ柄」の布をチョイスしたのだろうか。

あと少し怖い(駅にあった看板! 冬眠しないのかしら)

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