５分を味わう

それにしてもさっきから走ったり剃ったり息止めたり、自分を苦しめたりしてばっかりだ。もうすこし幸せになりたい（素直）。

剃毛と呼吸停止に関しては時間の調節が難しかった。という反省を活かして、玉子かけご飯を５分かけてつくろう。

どうやっても５分もかからない玉子かけごはんの作業工程だが、やってみたら意外と違う世界への扉が開けるかもしれない。

とにかく今回は思いついたものからやっていくことにする。

見た目は普通だが、５分かけて出来上がった玉子かけごはん。このような力作を食べることができるなど、たった今まで知る由もなかった。

今後誓ってこのような行為はしないとすれば、もう二度と食べられないのが、この５分バージョン玉子かけごはんである。

例えると、小学校の給食の牛乳にデザートのオレンジを絞って入れて飲んだ記憶があるが、あれみたいなものだ。（違う気もする。）

そう考えれば、何だか違ったものなるはず。

５分かけて作った玉子かけごはんは、普通だった。思えばお手製フルーツ牛乳も案外普通だった気がする。

たまごといえば

玉子かけごはんはさすがに工程が少なすぎた。かき混ぜるのに時間をかけても遊んでいる感じしかしない。

では、「焼く」という工程が入った目玉焼きならどうか。弱火でじわじわと焼くのだ。おいしそうな気がする。

玉子はそっと置くようにフライパンに落とし、弱火で焼く。

焼けてるのか焼けてないのかわからない、朝日がのぼるようなゆっくりしたスピードで白身が固まっていく。

できあがったのは白身ぷるぷる黄身ふっくらの目玉焼きだ。

パックの中でこの玉子の横に並んでいた別の玉子は、中火でジュッと焼かれてしまったのだな…と思うと、まあ不思議なものである。

たった５分でこの玉子の命運も変わってしまったのだ。

……。

あれ。自分の話から、玉子の話になってしまった。地味な展開過ぎて基準点を見失っている。

我々人間は５分間で何ができるというのだろうか。そういう話だったはずだ。（そうだっけ？）

さて、３ページまでものすごく地味な展開でお送りしてきた今回の記事。次のページで衝撃の展開があったりするのだろうか。