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ちしきの金曜日
 
フィルムかデジタルか、それが問題だ

レース中の写真は撮れるのか

では寒い上に危険という状況、レース最中の使い勝手はどうだろう。

レースといってもマシンがママチャリなのでたいしたことないだろうとお思いのあなた、ぜひ来年一緒に出てもらいたい。

道が凍っていることもあって、第一コーナーで速度を落とさずに突っ込むとまともな状態では帰ってこられない。レース中も常にコース内を救急車が走り回っていたほどだ。そんな中、写真撮るならどっちだ、とか言っていていいものか。


やるけどね(装着例)。

デジカメの良いところは軽いこと。そしてこれも機種によるかと思うのだけれど、僕のデジカメにはインターバル撮影という機能がついていて、時間が来ると勝手にシャッターが降りるのだ。これは便利。たとえば頭に取り付けた場合、手でシャッターを押すことができないのでどうしても自動シャッターが必要となる。


デジカメならばこういう迫力ある写真も撮れる。ヘッドマウントカメラ(デジタル)からの写真。たぶん第一コーナー曲がってすぐ。
デジカメは軽いとはいえ、頭に付けるとそれなりに重い。ヘルメットのあごひもが首にくいこんで息苦しかった。写真がひっくりかえっているのはデジカメがひっくりかえって装着されているからです。

デジカメで走っている本人を自動で撮影すると、思いがけない表情が撮れていたりして楽しい。

次の周回はフィルムカメラで撮影してみた。首から下げた状態でたまにシャッターを押していく。


フィルムカメラでの走行中の自分撮り。もちろんファインダーを覗くわけにはいかないのでカメラを自分の方に向けてシャッター押すのが限界。頭に付いているのはプープーテレビ用のビデオカメラ。どんだけ撮影好きなのか。

当たり前だが両手がハンドル操作でふさがっているため、カメラを目の高さまで持ち上げてファインダーをのぞくことは出来ない。なので適当なタイミングでフレームを気にせずシャッターを押す。

「カシャ!」という小さな音と振動が指に伝わる。これで「撮れてる」と確認できて安心する。前にも言ったがデジカメだと本当にこういうときに撮れているかどうかわからないのだ。


ここから長い上り坂になる。この先はきっと撮れないな、と思って撮った一枚。富士山きれい(フィルムにて)。
富士スピードウェイのホームストレート。1.5キロあって一番気持ちいい(フィルム撮影)。

思いっきり手を伸ばして地面すれすれでシャッターを押してみた。スピード感、伝わるだろうか(フィルム撮影)。


結局レース中の自分撮りにはデジカメが、周囲を撮るにはフィルムカメラが向いていることがわかった。

いや、向いているわけじゃないな、どちらも無理して撮っているので、本当はレース中の写真はやめたほうがいい、というのが正解だと思う。

最後に、フォーミュラジャパンのレーシングカーのテスト走行があったので、これもデジカメとフィルムで撮ってきた。300キロで走ってくる車を写すことができるのはどっちだ。


雷みたいな勢いで走り抜けるレーシングカーを撮るのは至難の業だった。一枚撮って巻き上げてるうちにもう見えなくなっている(フィルム撮影)。
対して連射ができるのがデジカメの強いところ。20枚くらい連射し続けて、写っていたのはこれ一枚だったけど(デジカメ撮影)。

信頼のフィルムか、便利なデジカメか

極端な場所でフィルムカメラが強いというのは、ある部分で本当だと思う。なにしろ信頼感があるというのは厳しい条件になればなるほど心強いものだ。ただ、それが言われていたのはもうずいぶん昔の話で、今はきっと登山家もデジカメを持って山に登るんだろう。なにしろフィルム交換しなくていいのは何よりもメリットだ。

それでもフィルムカメラにもいいところはある。今回撮影したフィルムを現像に出して、仕上がりをうけとるあの瞬間は、デジカメのメモリをパソコンに差す時以上に興奮した。あのときの思い出がこの中に入っているんだー、っていう重みがある。

フィルム独特のこの不思議な興奮も、デジカメしか使ったことのない人にぜひ味わってもらいたいですね。

チーム集合写真(デジカメ撮影)。
おなじく集合写真(フィルム撮影)。

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