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ひらめきの月曜日
 
わからない料理、アイタルシチューが食べたくて


レゲエ音楽でおなじみのジャマイカに、「アイタルフード」というものがある。
ざっくり言えば、ジャマイカ式菜食主義。ジャマイカに「ラスタファリズム」という思想を実践する人たちがいるが、その中で行われている食事法だ。
アイタルとは、「自然な」とか「真の」という意味らしい。自然からとれる食べ物を食べよう、という定義だそう。でも、本などを読む限り、どうも曖昧な戒律のようだ。
ガチで植物性のものしか食べない人も、もちろんいるのだが、
小さな魚なら食べてもいいとか、肉は基本的にNGだけど、どうしても食べたい時は「1日だけ改名」したらオッケーとか…。
「私、大塚だけど、今日だけ山田ね!」と言って、肉を食べるわけだ。
つまり、ものすごく厳しくやってる人もいれば、ラフにやってる人もいるようなのだ。
資料が少なくて、詳細は不明。ジャマイカに行ってみないと分からない。すごく実体が知りたいけれど。

私は世界の食文化に興味があるので、このアイタルフード、とくに「アイタルシチュー」という料理を、ずっと食べてみたいと思っていた。
ジャマイカの紀行文にもよく出て来るメニューで、レゲエミュージシャンも常食しているという、憧れの料理だ。
でも都内にアイタル料理店はないし、専門のレシピ本も全然出版されていない。ネット検索してみても、日本語のレシピが全然見当たらない。
しょっぱいのか甘いのか、野菜以外の何で出来ているのか、さっぱり分からなかった。

悩んだ末、とりあえず都内のジャマイカ料理店に行ってみたら、なんと! アッサリとアイタルシチューがあった。頼んでみた。

大塚 幸代



500円くらいだったかな。

こ・れ・が、予想をはるかに超えた、激激激ウマであった。

内容は、ココナッツミルクと野菜と豆だけなんだけど、妙に美味。もしスープストックトーキョーにあったら、必ず頼んじゃうかもしれないわ、っていう感じ。
そこで店主に「おいしいですね」と声をかけようと、タイミングを見計らっていたのだが、スタッフ(たぶん奥さん)とケンカをはじめて…。
全然声をかけられなかったし、中身についてのヒントも得られなかった。

この情報社会で、こんなにも情報のナイ分野ってあるのか〜…。
作り方、誰に訊いたらいいんだ。大使館に連絡してみようか。相手にされないだろうなあ…、と悩んだ末、
そうだ、英語で検索してみればいいんだ! と思いついた。

自慢じゃないが、語学のセンスはゼロだ。
でも大丈夫。ネットには自動翻訳、という強い味方がいる。

さすが英語、レシピはあっさり見つかった。幾つかのレシピをピックアップして、ばんばん翻訳してみる。

でもまあ、こんな調子だ。


成分: 2つのC乾燥豆(どんな種類も)の中型のアイダホじゃがいも Cは黄色い山芋2の中型の薩摩芋12の中型のオクラをさいのめに切りました。らっきょう3クローブ新鮮なにんにく1の小さい緑色のスコッチボンネット(ハバネロ)コショウの3つのCの新鮮なとうもろこし(トウモロコシの穂軸のカットカーネル)の中型のにんじん3茎  Cの自然なココナッツミルク  T下地のマーガリン 7-12 ピメント種子(オールスパイス)7-12ピメントは(オールスパイス)3つの断片の新鮮なタイムに種を蒔きます。2 C全粒小麦粉Freshコリアンダー(飾り) 指示:ガスを取り除くことにおける夜通しの蒸留水に豆をつけてください。 野菜のままで残っている、にんにく、タイム、およびサイコロをぶつ切りしてください。 らっきょう、ピメント種子、タイム、にんにく、およびコショウで沸騰するように豆を置いてください。 ココナッツミルクを加えて、豆と共に完全に料理されるまで沸騰して、次に、ポットに野菜を加えてください。 少しの水で小麦粉を練って、小さい団子(紡績工)を作ってください。 ポットに紡績工を加えてください、そして、料理されるまで沸騰してください。 シチューが厚くし始めるとき、下地のマーガリンを加えてください、そして、風味にぐつぐつ煮えてください。 コリアンダーを料理に添えてください。 玄米とサラダで、役立ってください。

全然分からん。
何、ピメント種子って(ピーマンの種ってことだろうか? ピーマンの種みたいに、丸ごとの種、っていう意味だろうか?)。
難解なので、幾つも幾つも検索して、分かる部分だけ意味をつなげた。

…で、多分、こんな感じなんじゃないかと、解読した。

  • 赤いいんげん豆を、一晩、水につける。
  • つぶしたにんにく、にんじん、豆、ローリエ、ホールの黒コショウ、オールスパイス、クローブ、ココナッツミルク、水を、豆がやわらかくなるまで煮る
  • たまねぎ、じゃがいも、かぼちゃ、タイムを入れて、さらに煮る。出来上がり。

分量は…適量だ、適量。カレーを作る時と同じくらいの感覚でのぞもうと思う。


赤いインゲン豆なんて、一体どこで売ってるんだあ? と思っていたら、近所の輸入食材屋に、ありました。

スパイス類も、近所のスーパーで発見。100円とか200円とか。

インゲン豆を水につけるところからスタートです。

一晩たったら…ずいぶん水を吸って、増えたなあ。

野菜も、やっぱり近所の激安八百屋で、ばばっと買いました。

材料はこれでいいはずなのだが。

とりあえず、ココナッツミルクと水で、煮ちゃうけどもさ。これでいいのだろうか。いいのだろうか。

で、できた! 真っ白だったココナッツミルクが、野菜の色がついて、ほんのり茶色。 見かけはソレっぽい!

「塩を入れたら駄目(不自然なミネラル分だから)」という戒律があるっぽかったのだが、さすがに薄味だったので、自然塩を入れて、味を調整した。

どれどれ。
パク…。
んー、なるほど、なるほど。

素人が作ったにしては、美味しく出来た。
プロはハーブと塩のバランスを、もっときちんと調整して、美味しくするのだろうと思う。
しかしまあ、ココナッツミルクって、誰にでも美味しく調理可能な食材なのかもしれない。知りませんでした。
だって、野菜のダシも肉のダシも入ってないのに、コクがあるし、メニューとして成立している。
味は何て説明したらいいんだろう。辛くないタイカレー? 違うなあ。野菜たっぷり南国風味なホワイトシチュー? 違うなあ。素朴だけどガツンと食べた感じがしますよ。良かったら作って味わってみてください。 

でもよく考えたら、この料理、「日本のカレー」くらいに超簡単な料理なんじゃないのだろうか?
簡単だからこそ、レシピが無かったのかな? と考え込んでしまった。

そして新鮮なココナッツミルクが手に入らない、缶詰利用の日本では、先にある程度、野菜をお湯で煮て、後からココナッツミルクを入れたほうがいいのかなあ…、と改良点を考えたりした。

ここを読んでいる、ラスタマンのどなたか、是非、アイタルレシピ集作ってください。 レアなレシピ集って、電子書籍とかで出たら、買っちゃうだろうなあ…!
でも本当に興味のある人は、個々で調べて、そっと実践されているんだろうなあ。ですよねえ。


 
 

 

 
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