あ、あの人は聖徳太子だったのか!?
フシギがいっぱい過ぎるこのお店の謎を理解するためには、おっちゃんの経歴を掘り下げてみる必要がありそうです。
ということで、とにかくグイグイとビールを飲ませてじっくりと話を聞かせてもらうことに。
まず、若かりし日のおっちゃんはタクシードライバーをやっていたそうです。
「ハデな外車を乗り回してたからねぇ。若い頃はそりゃあモテたよ!」
確かに写真のヤング・おっちゃん、格好いいです!
そして、そこからどういう経緯があったのか、おっちゃんの説明ではまったく理解できなかったんですが、なんだかんだあってプロのミュージシャンに転向。
「サンゴーン」という自作の珍しい楽器を演奏するということで、当時はなかなかの売れっ子だったみたいです。
コレがその「サンゴーン」という楽器。おっちゃん、昔っから変なものを作るのが好きだったんですね。
「18弦もあるからね。他の人には弾けないよ!」とのこと。
でも「琴とギターが組み合わさったような形をしてますね」とボクがいうと「そうそう、ギターが弾ければコレも弾けるから!」と答えてました。
どっちなんだ!?
ちなみに、その当時に作った「聖徳太子」という曲がヒットしてお金がドカッと入ってきたため、今でもこうやって聖徳太子をまつっているんだそうです。
踊り狂うリカちゃんがお札を握りしめていたことや、ホタテの中からお札が飛び出してきたことも、ようやく理由が分かってきました。
ん……と、いうことは……。
もしかして……この人形、聖徳太子ってことだったんじゃ!?
改めて見てみると(おおらかな目で見てみると)確かに聖徳太子っぽい! ……なんで色つきメガネをかけているのかは分かりませんが。
とまあ、それからさらになんだかんだあって「流行歌も時代によって変わっていくからね」ということでミュージシャンも廃業。
その後、写真館をはじめるも数年で廃業。
で、このスナック・サンゴをやるようになって今に至るというわけです。
おっちゃんの超・ビッグなドリーム!
……と、ここで終わりではありません!
おっちゃんは、スナックのマスターになってもなお音楽への情熱を失っておらず、なんとおっちゃんは新たな自作楽器を完成させていたのです。
それがコレ!
えーっと、カスタネットとタンバリンのシャンシャンいう部分を組み合わせて、珍奇な形の木材につっつけた感じ……。
さらに、この穴の部分に笛も埋め込まれているそうです。
「カポネオは簡単に誰でも楽しめる楽器だからね。幼稚園とかに売り込んだらいいと思うんだよ!」
あ、確かに色んな音が出るから、子供たちは喜びそうですよね。
そういえば、さっきの変なオブジェたちを動かす時にも……。
「カポネオ」を使ってる!
そう、あのよく分からないオブジェの数々は「カポネオ」と連動して動かしてパフォーマンスするためのものだったのです!
いやぁー、ここにきてやっと色んなことが理解できました。
と安心していると、またおっちゃんがワケの分からないことをいい出しまして……。
「カポネオは演奏するだけじゃなくて、モノマネにも使えるからね」
--モノマネ!?
「コレ、面白いでしょ! 売れそうでしょ!? カポネオを世界中に広めるのが夢なんだよぉ!」
御年87才というおっちゃん(元気!)、まだそんな壮大な夢を抱いているなんて……パワフルだなぁ。
ここはスナックだったのか!? という疑問は残りますが
バリエーションに富みすぎた職業を転々としてきたあげく、この年になってもまだ「自分で作った楽器を世界に広める」というビッグな夢を抱いているおっちゃん。
自宅の倉庫には、なんと2000個を超えるカポネオが貯蔵されているそうです。いやあ、本気ですね! まかり間違ってホントにヒットするなんてことも……うーん、どうかなぁ。
とりあえず、帰り際にこんなことをいっていたのがすごく気になっている今日この頃です。
●スナック・サンゴ 東京都大田区蒲田4-18-17 【電話】03-3735-2589 【営業時間】17〜23時頃 【定休日】無休(?)