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はっけんの水曜日
 
高速道路を路線バスが行く


高速道路走ってます

埼玉県に、普通の路線バスが首都高速を走っている区間があるらしい。
前と後に扉のある、一般的な路線バスが、である。
これは乗りに行かねばなるまい。

工藤 考浩



さいたま新都心から

前回「日本一の橋を渡る路線バス」という、アクアラインを走るバスの記事を書いたときに、これを読んだ方からツイッターでこの情報をいただいた。
アクアラインを走っていたバスは、路線バスとはいっても前にしか扉のない、いわゆる「高速バス」だったが、埼玉のバスは普通の路線バスだという。
実は首都高の東京湾トンネルを走る路線バスには、稚内から東京までバスを乗り継いで帰ってきたときに(→こちら)乗ったことがある。
だったらそれでいいじゃないか、という意見もあろうが、乗ってみたいからさいたま新都心へと向かった。


近未来っぽいさいたま新都心駅


2000年にできた街

さいたま新都心というのは、東京の首都機能を補完する目的で作られた、新しい街だ。
なので、街並みが近未来チックでサイバーである。
そこから出発するバスが首都高を走るというのは、なかなかかっこいいシチュエーションで、ムラムラきてしまう。


でかいビルがにょきにょきそびえている

一般道と高速経由の二本立て

駅前のバスロータリーにめざす路線の停留所がある。
近未来都市さいたま新都心だが、バスターミナルはわりとよくある郊外の景色だ。
けれども後ろを振り返ると、高層ビルやショッピングモールなどがそびえ立っており、その混在具合がふしぎで楽しい。


普通のバスターミナル
高速経由の文字が光る

さてこの路線、さいたま新都心駅から東新井団地というところまでを結んでいるのだが、従来からあった一般道を経由したルートに加えて、昨年(2010年)7月に追加になったものだ。


文面から浮き足立っている感じが受け取れる
とにかく便利です!!

普通のバスなのに

バスが高速道路を走るのの何が楽しいかというと、普通のおばちゃんが踊るとものすごくうまいとか、普通のおっさんなのに名うてのガンマンとか、普通に見えてちょっとすごいという意外性が楽しいのだ。



これに乗る

出発

日中は1時間に1本の運行となる高速経由バスは定刻通りにさいたま新都心駅前のバス停を出発した。
乗客は僕を含めて4人。
車内は閑散としている。


かなりすいていた

ロータリーを出て少しの間市街地の一般道を走行したのち、新都心出入口から首都高速埼玉新都心線に入る。


ちょっと一般道を走って
わりとすぐに

首都高に入る

高速といっても60km/h

首都高を走るのは2kmほどで、時間にすると2分くらいだろうか。
片側一車線で制限速度は60km/hと、普通の高速道路と比べると派手さはないが、ガガーっとエンジン音を響かせてバスは走る。


自動車専用道を行く路線バス
料金ゲートも通過

うれしい

バスは首都高を走っている。
うれしい。
なぜうれしいのかは先ほども書いたとおり、普通のバスが高速道路を走っている意外性が、なのだと頭では考えるのだが、実をいうと自分でもよくわかっていない。
ともかくうれしくて楽しいのだ。


わー、高速だ

サイバー都市から田んぼへ

バスが高速を走ることのうれしさは、たぶんすこし深いところに影響を与える類のうれしさなのだろう。
以前、湖の上を走るバスにも乗ったことがあるが(→こちら)、あれはわかりやすいうれしさだった。
そのようなことを考えているうちに、バスは田園地帯にさしかかった。


料金ゲートを抜けて
さらに高速を走る

見沼田んぼを行く

車窓から見えるのは、「見沼田んぼ」と呼ばれる場所だ。
大昔、沼だった頃のなごりで、都心近郊なのにいまでも田んぼが広がっている。


空が一気に広くなった

出口へ

あのサイバー都市からわずか数分でこのような風景になるのがワープしたみたいですごい。
路線バスに乗ってワープできるのだ。

高速道路は高架になっているので、見晴らしがよくてずっとこのままでいたいのだが、すぐに出口はやってきてしまう。


田んぼの上を進み
高速出口へ

団地到着

バスは終点の「東新井団地」に到着した。
今回はバスに乗ることが目的だったので、当然のことながら、この場所になんの用事もない。
このまま折り返しのバスに乗って帰ってもよかったのだけれど、せっかくだから周囲を散策した。


のどかな郊外の住宅地

団地の街

僕は数年前にひばりが丘団地という大きな団地の近くに住んでいて、時々散歩をしていたのだが、その街並みに少し似ていた。
人がたくさん移り住んできて、それを期待してできたであろう商店が団地の外堀を埋めるようにぽつぽつと並んでいる。


喫茶ぺんぎん村があったり
いい感じのアーケードがあったり

この辺はいわゆる「団地」の建物があるところと、その周辺に戸建て団地がある作りになっている。
帰りに同じ路線のバスに乗るために、歩いてバス停をいくつか戻ってみよう。

広々としていていい気分だ
水害対策の貯水場所だろうか、四角く低くなった空き地があった

バス通りは歩道のない道。確かに「危い」
のどかな景色の向こうには新都心が

帰りも同じバスに

帰りのバスに合わせて歩いていたところ、ちょうど行きと同じバスがやってきた。
僕が歩いている間、終点の東新井団地で待機していたようだ(ダイヤがそうなっている)。
同じ運転手さんだったようので、この路線はバス好きの間では有名だから、たぶん僕のことをバスマニアだと思っただろう。


帰路のバス停

乗客一人でした

ちなみに帰りのバスは乗客が僕一人で独占状態だった。
そして、そのことも妙にうれしい。
僕は通勤で気まぐれにバスを使うのだが、たまに終点間際で一人きりになるとうれしくなる。
これはいったい“なにうれしい”なのだろうか。
このうれしさの秘密も解明したい。

独り占めで大満足


 
 

 

 
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