棍棒にカツをくっつけたものを意中の相手に食わせ、 結婚相手を決める。江戸時代から続く長崎の伝統行事・コンカツ。
独特の雄叫びをあげながらコンカツを振り回す姿は、長崎の春の風物詩とも言われている。
(T・斎藤))
コンカツは凄い
コンカツは、それはそれは凄まじいお祭りだ。 あれほど若い男女が本能のままに戯れる姿を私は見たことがない。が、コンカツ本祭は一切の撮影・取材が禁じられている。
そこで今回は、間近に迫ったコンカツに闘志を燃やす独身男性に話を聞いた。
さっそくO神さんに、今年のコンカツを見せてもらった。
コンカツとは、ご覧のように棍棒にカツをくくりつけたものである。
カツの付け方は地域によって異なり、平べったいカツを棍棒に巻き付けたタイプや、カツの中心に穴を開けそこに棒を通すタイプ、串揚げのように棍棒ごと揚げるタイプ(離島に多い)など、さまざまだ。
写真のコンカツは最も標準的な様式と言われている長崎市内でよく見られるタイプのもの。
これを振り回しながら、お目当ての異性に近づいて行く。 振り回す過程でコンカツが壊れては元も子もないので、カツはしっかりと結びつけておかねばならない。
またそのカタチ、大きさ、色つやなども、異性の興味を惹くための重要な要素となる。
一見すると、コンカツは男性が女性を追う行事という印象を抱くが、実際は女性もコンカツを振りかざしイケメンを追い回すなど、男女入り乱れて賑やかに行われる。
面白いのは、世間一般とは逆で肉食系女子ほど男性からのコンカツを待ち、草食系男子ほど相手にコンカツを食わせにいく。
コンカツは人間だけでなく、トンビにとっても魅力的だ。
コンカツ本祭でも、上空からトンビがやって来てカツをかすめ取っていくという事件が多発している。もちろんカツを取られてしまった者は即退場となるので、上空にも気がおけない。
というわけで、若い男女がコンカツを振り回しながら入り乱れ、上空にはトンビが舞い、組んずほぐれつの凄まじい様相を呈するのが長崎のコンカツなのである。(中には興奮しすぎて失禁するものまで現れるほど!)
コンカツは、長崎人はみな全国どこでも当たり前のように行われてる行事だと思っている。なので就職や進学などで県外に出て初めてそれが全国共通ではないと知り、カルチャーショックを受ける人も多いのだとか。