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ちしきの金曜日
 
胃薬でパンがふっくら焼ける
ちょっとしたことでパンがふわふわに。

最近自宅でパンを焼くのがマイブームなのだが、いろいろなレシピを試していくなかで、ものすごいふわふわのパンを焼く方法を発見してしまったのでこっそり紹介したい。

安藤 昌教



パン作りは簡単です

自宅でパンを焼くといってもこねたり発酵させたりするのは機械に任せている。僕は粉を量って「焼き釜」に入れ、タイマーをセットするだけだ。


粉の分量とか適当でもたいていパンになるからすごい。  

これだけ簡単だとせめて配合の部分でいろいろな工夫をしたくなる。

ブドウやチョコ、麦や卵など、これまでさまざまなものを混ぜてみたのだが、どれも一様に美味しく仕上がった。

そんな中、ある情報を入手した。市販の胃薬を入れるとパンがふっくら焼き上がるというのだ。本当だろうか。


たまたま病院でもらった胃薬があるので試してみよう。

ていうか薬入れて大丈夫なのか

胃薬といってもいろいろな種類があるが特にガスターがいいらしい。

あいにく家にガスターはなかったのだが、先日病院で処方してもらった薬がちょうどガスターみたいな名前だったからいいやと思ってこれにした。朝晩飲んでる薬なので体に悪いことはないだろうけど、レシピとして薬が入っているのはやはりどうかしていると思う。


くよくよ悩むとまた胃が痛くなるので、ざーっといってみた。  

胃薬パン レシピ

強力粉・・・150g
薄力粉・・・50g
砂糖・・・25g
塩・・・5g
バター・・・25g
卵・・・1個
牛乳・・・150ml
ドライイースト・・・5g
胃薬(ガスター推奨)・・・1包


胃薬以外はまったく普通のパンである。注意する点として、ドライイーストと胃薬は離して入れること。それから正露丸など、においのきついものは避けた方がいいらしい。

これら材料をホームベーカリーにセットしたらあとは機械に任せるだけだ。明日の朝には胃薬パンが焼けているはずである。


あとはまかせた。 

朝がやってきた。

ちなみにこの時点では妻と子どもにはパンに胃薬が入っていることは告げていない。おいしかったら内緒にし、おいしくなかったら告白しようと思っていたのだ。

さて、パンはどうなっているか。


ええ、おかげでパンパンですわ。

これがまったくもってものすごいふくらみ具合なのだ。

胃薬なしの状態の写真がないので感覚的な話になってしまうのだが、普段の1.5倍は膨らんでいると思う。いや、見た目倍くらいになっているかも。これには妻も目を回していた。


胃薬、おそるべし。

ふわふわ、しかもうまいときた

何が起きているのか全くわからないのだけれど、胃薬パンは確かにふわふわに焼き上がった。

問題の味も、これがまたすこぶるおいしいのだ。小麦の香りがふんわりと漂い、我が家の朝の食卓を幸せで包んでくれた。胃薬が入っていることは家族には内緒にしておく。


胃にも優しいパン。

知り合いのパン職人に聞いてみたところ

「その方法はわれわれ職人の間では知らない者はいないほど有名な話だが、暗黙の了解で禁じ手とされている。おまえそれどこで聞いた。」

とのことだった。

胃薬を使ってパン界にいられなくなった職人を何人も知っている、とも言っていた。恐ろしい話だ。パン職人じゃなくてよかった。

胃薬、万能説

胃薬は他にも、「ご飯を炊くときに入れるとふっくら炊けると聞くが」と前述のパン職人は小声で教えてくれた。ただ、それをやるとやはりお米界にはいられなくなるらしい。

どの世界にも厳しい掟みたいなものがあるんだな、と思ったが、うちではこれからもたまにやってみようと思っています。

この記事はエイプリルフール企画のために作ったうその記事です


 
 

 

 
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