白山のほそ道は工場とともに
つぎは文京区白山のほそ道を紹介したい。小石川植物園の西側の低地ぞいだ。
千川通りを歩いていると、それはわき道としてこんなふうにあらわれる。
実はこのへんの細道の特徴は、こんなふうに工場の裏っぽいところが多いことだ。というか、実際に工場なのだ。
手前左の看板には「紙工所」とあるように読める。
ここも工場裏だ。奥のほうがトンネルみたいになってるが、行ってみるとこうなっていた。
一軒の紙の工場が道を挟んで建っていて、2階がつながっていたというわけなのだった。渋谷の西武A館B館みたいなもんだ。
なぜこのへんに紙関連の工場が多いのか?それは道を振り返ってみると分かる。
そこにあるのは共同印刷。
調べてみると、文京区の工業出荷額の8割は印刷・製本らしい。つまり地場産業はほとんど出版といってよくて、そしてその歴史は共同印刷にはじまるらしい。
出版は工程ごとに高度に分業化されていて、軒を並べた工場の間で印刷物がくるくると受け渡されていく。だからこんな風に工場が長屋みたいに隣接してたほうが都合がいい。ということでこんなふうな「町工場ほそ道」が出来たんじゃないかなと妄想している。