霧の中を手探りで進むさわやか探し

さわやかな男になりたい。そういう目的を設定したはいいものの、普段からさわやかさとは遠い位置にいる分、それが何なのかがよくわからない。

素足で靴を履けばいいのだろうか。いやそれは、石田純一だけの話ではないのか。自分の中に浮かんでは消えていく、さわやかさの貧困なイメージ。

自分という檻の中でもがいていても、答えは見えてこない。そうだ、わからないなら、人の意見を聞けばいいではないか。

今さら「さわやかさ」を目指すのは、実のところ「さわやか＝モテる」というイメージを心の奥に抱き続けているからでもある。「そういう短絡的な心の在り方が根っこの問題なんだ」というもう一人の自分の声には気づかないふりをして、今回は当サイトの女性ライターのみなさんから、「さわやか」と言えば何をイメージするか、意見を聞いてみた。

意図の怪しげな質問に構えながらも、小堺さんは「黒髪短髪。それからシャワーから出たて、って感じですかね」と答えてくれた。(写真の記事はこちら)

そうか、さわやかってそういうことでいいのか。それなら何もしなくても、既に今の自分にあてはまっているではないか。

髪の毛は染めたことがないし、髪型は長い間ずっと短め。シャワーも撮影を始める前にちょうど浴びてきたところだ。なんだ、自分はもうすっかりさわやかなんじゃないか。

理論上そうではあっても、写真では全くもってさわやかさを感じないのが我ながらすごい。せっかく示してもらったさわやかさの要素を、あっさりと吹き飛ばしている。

しかし今回はここであきらめたくない。人は一度小さくしゃがんだ方が、高く跳び上がることができるのだ。そういうことでよろしいか。

続いては編集部の古賀さんのご意見。質問したメールに「とんちんかんな回答だったらすみません！」と添えて返信をくださったが、ご心配には及ばない。とんちんかんな質問をしているのは私の方だ。(写真の記事はこちら)

古賀さんの考えるさわやかさの一つは「白いシャツ」とのこと。それなら自分も持っている。

黒髪短髪・シャワー後という要素に、白いシャツを追加。自分なりにズボンも着替えてみた。細かくさわやか要因を積み上げていって、「塵も積もれば山となる」を目指したい。

しかし、私というさわやかさの深い谷に対して、ここまで重ねた要素は本当に塵であって、全く山になっていない。広大な宇宙に暗い星がやっと一つ灯ったくらいだろうか。

その明るさは肉眼では確認できない程度のもの。早い話が何も変わってないということだ。

「ラムネです。びんの色、甘すぎない味、シュワーという音、さわやかさの代名詞です！」と答えてくれたのはライターのほそいさん。(写真の記事はこちら)

さわやかドリンクを飲んでさわやかなる。これは簡単にできる手っ取り早い方法だ。

私が口にしているのはなぜかクッピーラムネ。買い物に出かける妻に「ラムネ買ってきて」と頼んだら、渡されたのがこれだったのだ。

これじゃない。確かに飲み物の方とは指定しなかった。でも、「今回はさわやかな男になるっていうテーマで…」と記事の説明はしたはずだ。そうわかってて、クッピーラムネはないんじゃないか。

しかし、ここで妻を責めるようなことを言うと、ろくでもないことになるのは目に見えている。目標を達するために、ちょっとした寄り道をするのも悪くはない。ラムネを食べて、かわいさが微妙にアップだ。

でも、本当はそんな寄り道してる余裕はない。カルシウム摂ってる場合じゃない。さらなるさわやかさを自分に投入していこう。