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フェティッシュの火曜日
 
第2の「肉巻きおにぎり」を探せ

パン部門スタート

肉とパン、という組み合わせに異論を唱える人はいないだろうが、間に入るのが「焼肉のタレ」となれば、誰しも「…ん?」と首をかしげたくなるのではないか。

でも巻こう。巻いていこう。焼肉のタレって、けっこう何にでも使えるそうじゃないですか。決して合わないことはないと思うんですよ。


とはいえ、丸ごと1枚は勇気が要ったので、ここは4分の1のみで。
それより、パンに生肉を巻く方が妙に勇気が要った。

大きさ的に手頃だろうと、レーズンバターロールを選択。
両端を少し削って、丸くまとめてみました。

それにしても、そのままの状態で食べることの多いパンを、決して生では食べない(食べてはいけない)豚肉で巻くことが、これほどドキドキする作業だとは知らなかった。

ちょっとだけ心をざわつかせたい方には、おすすめです。「ああ、こんなことしちゃっていいのかしら…」な気分が味わえますよ。

 

いよいよ試食

以上、4つの食材(うどん、焼きそば、食パン、レーズンバターロール)を一度にオーブンに入れ、180℃で12分ほど加熱してみた。

豚バラ肉は薄く、さらに表面にしか使ってないこともあり、比較的短時間で焼き上がる。


このモスラみたいなの(うどん)からいってみるか…。
あれ、なんだかおいしそうじゃないか…?

巨大化を後悔した肉巻きうどんだが、焼き上がってみると「食べ応えがありそう…」と、途端に印象が良くなったのが我ながら不思議だった。

オーブンからは、焼肉のタレ特有の、なんとも言えないいいニオイが漂ってくる。

これ、絶対においしいに決まっている。


切ったりせずに、頭からガブリと!
うおーー! うわ、うわ、うわ…!

「こ、これは…!」と顔がほころび、写真がブレるほどの反応をしてしまった。しっかりタレの味がついた肉と、茹でただけのうどんの組み合わせが、まさかこれほどまでにウマイとは。

肉に接してタレが染み込んだ部分と、中心部の無垢な部分とがそれぞれ違う味で、肉と同時に口の中に入って来る。さらにブニブニとしたうどんの食感も面白い。

これはたまりませんよ。アリかナシかで言えば、完全にアリだ。もっと食べやすく改良して、誰か商品化すればいいのに…と思うくらいだ。


大迫力の断面。1本1本が意志を持っているかのよう。

すっかり気を良くして、続いては「肉巻き焼きそば」を食べてみよう。

うどんの時と違い、麺には味が付いているが、果たして大丈夫なんだろうか。


グッと小ぶりになりました。

茹でただけのうどんがちょうど良かったということは、もしかして濃すぎてクドい味になるのでは? と、さして期待もせずに食べたのだが…。


もしや過剰なのでは…?
ぐわっ!

思わず岡本太郎ばりのアクションが出てしまうくらい、とんでもないシロモノだった。「味が過剰なのでは?」と疑った自分を心から恥じた。

だって、これですよ。


肉を噛みきると、中から焼きそばが弾かれたように口の中に飛び込んでくる…!

ああ、確かに味は濃いさ。「これはもうビールがないと食べ進められない!」とも思ったさ。

でも考えてもみてくださいよ。焼きそばパンのパン部分が肉に代わったら? そんな夢のようなことが現実に起こったら? ソース味の焼きそばと、焼肉のタレの染み込んだバラ肉…。

合わない訳がない。たとえそれが過剰だとしても、だ。焼きそばパンに合うのが牛乳だとしたら、肉巻き焼きそばには断然ビールだ。余剰分はビールで洗い流せ!

 

最後はパンで締めよう

失礼、つい興奮してしまった。

残すはパン2種。さすがに麺類より心配だ。だって、なんだかんだ言って焼肉のタレとパンの組み合わせが、どうにもイメージ出来ないのだ。


肉が焼かれてキュッと縮まったのに合わせたかのように、パンも少し圧縮されたような…。
持つと、心なしかフニャッとしました。

ひとくち食べて、思わず「え?」と声が出た。パンがジューシーだったのだ。なんだパンがジューシーって。

えーと、つまりはこういうことです。


バラ肉の脂がパンに染みているということです。えらいことです。

洋酒を吸わせた柔らかいスポンジ菓子があるでしょう。あれをイメージすると、ほぼ正解です。ただし吸っているのは、この場合は肉の脂プラス焼肉のタレですが。

これ、もっと小さいのを大量に作ったら、ビールのつまみに最適だと思う。いいビール泥棒になりますよ。


続けてレーズンバターロールを。
そりゃおいしいですよ。

食パンと違い、脂が内部にあまり染みてなかったが、それでも普通に「ああ、おいしいねぇ」と思った。

ああ、どれも普通においしく食べてしまったなぁ。

 

ついでに試してみよう

結局、焼肉のタレに漬けたバラ肉は何にでも合ってしまった。めでたし、めでたし…で、このまま終わってもいいのだが、ここらでひとつチャレンジングなメニューに挑戦したい、という欲がむくむくと頭をもたげてきた。

というわけで、次は焼肉のタレを使わない肉巻きに挑戦したいと思う。


麺といえば、まだ種類がありましたね。

 

味噌ラーメンを肉で巻く

肉に下味をしっかりと付けたことで、肉巻き実験はどれも成功したのではなかったか。

そこで今回は味噌ラーメンを丸ごと「肉巻き」にしてみたい。どういうことかと言うと、ま、見ててください。


お湯で伸ばすタイプの味噌に肉を漬けたわけです。
で、まずは肉を広げて…

普通に茹でたラーメンを
麺が飛び出さないように海苔を敷いた上に乗せて…と。

どうだろう。これをガブリと食べたなら、それはもはや「肉巻き味噌ラーメン」とは言えますまいか。


結局、またデッカイのをこしらえてしまった。
海苔のおかげで、肉が縮んでも麺は飛び出さず。

これもたぶんウマイぞ…とホクホクしながら食べたのだが、あまりのことに思わず顔が歪んでしまった。


…しょ、しょっぱい!

考えてみれば当たり前の話だ。ラーメン丼1杯分のお湯で伸ばしてちょうどいい濃さの味噌なのだ。そのまま肉に塗りたくって焼いたら、そりゃしょっぱいさ。

というわけで、最終的にお湯で伸ばして普通に味噌ラーメンとして食べました。おいしかったです。


海苔がまたいい仕事をしてましてね。ええ。

焼肉のタレは偉大だ

最後の実験メニューのことは忘れていただくとして、それ以外の全ての肉巻きが大成功だったことに、正直驚いている。それほどまでに焼肉のタレというのは、成功を保証してくれる調味料だったのか…と、違うところに感心してしまった。

というわけで、肉巻きおにぎり(他を含む)が手軽においしく作れることが分かったからには、以降ちょくちょく作ることにしよう。楽しみが増えて良かった。

本当はもうひとつ、カレーに漬けた肉で「肉巻きカレー」なる物も作ったのですが、今度は味が薄すぎたためボツに。最終的にはこれにカレーかけて食べました。

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