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フェティッシュの火曜日
 
埼玉でアジアなお寺・お社を巡る

なぜこんな所に建てたのか?意外な理由

さて埼玉のロードサイドに突然現れたように見える聖天宮、さきほどの大門をくぐるともうフツーに台湾のお宮。前殿からどんどん奥に入っていくと日本にいる気分もどんどん薄れていくよう。


建物の入り口である前殿。普通に海外の光景にしか見えない。

鳳凰や龍などの装飾も完全に本場仕様。

気分的に取りたくなるのはダブルピース。

ちなみに台湾ではこうしたお宮に名前を付ける時、小さいものは「○○廟」と呼び、大きいものを「○○宮」と呼ぶのだそう。たしかにこれはデカいや。

昭和56年に工事着工し、15年をかけて平成7年に完成したという聖天宮。しかしこんなすごい施設が横浜の中華街とかならまだしも、なんでまたこんな埼玉の奥の方に出来たのだろう。こちらの代表の康さんにお話をうかがった。


「建て主は台湾に住んでる康國典大法師という方なんですが、むかし大病にかかってそれが完治したんですね。それに対する感謝と、他の人もお参りが出来るお社を建てようとしたんです。そうしたらお告げで『ここにしなさい』と定められたのがここだったんです」

−−え!同じ台湾の遠い場所どころか、わざわざ日本に!

「本人は日本に縁もゆかりもなかったんですけどね(笑)。建て始めた30年前はは今みたいな広い道もなくて、駅さえなかったんです」

−−へ〜。そもそも「願いがかなったから神社を建てよう」って台湾ではよくある事なんですか?

「そうですね。個人で成功した人や、病気がよくなった方で建てる方はいらっしゃいますね。ここは規模大きい方ですけど」


この超本格な作り、台湾から宮大工を呼び寄せたそうです。なるほど!

上の廊下を抜けた所にある本殿。きらびやか〜。

すごい絡み合ってる龍の像。主にめでたい&豪華なものばかり。

「個人で神社を造る」「お告げで本人も知らない場所に造る」どっちも日本人にはありえない感覚で驚き!しかも当時は駅も道もない上に「いきなり台湾人が来て土地を買って(7千坪!)、宗教施設作り出したら普通驚きますよね。反対運動起きてもおかしくない(笑)」(康さん)条件ではあったものの、当時はスムーズに建てられたそう。

それには道教が宣教や布教をすることがない「宗教といっても、台湾人にとって風習や習慣の一部なんです」(康さん)というものだったのがよかったのかもしれない。別に宗教関係なく入れる日本の神社やお寺の感覚に近いというか。カジュアルなんですね。


でも日本の寺社にはこんなのはない。一本の石から削ってるという石柱。

間近で見るとすごいです。連結フィギュア。

こうした建築物の見学だけでなく、こちらでは現地流のお参りとかおみくじもひけるというので体験してきました。台湾でもあったけど、日本語の説明がないから分からなかったんだよなー。

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