上野に移動
初めて会った方達に気を遣わせてしまい、変にしてしまった空気を断ち切るように上野公園へと場所を移した。
私にとってここ上野公園は世界で一番、いや少なくとも都内で一番好きな場所だ。この公園には数え切れない程来ており、自然や建築物など思わず描きたくなるような景色がたくさんある事をわりと知っている方である。
しかし・・今の私の目的は「透明下敷きを使うと早く描ける」を検証する事。何描いたらいいかサッパリ浮かばない。
そうだ、例えば出来立てのラーメンバーガーの絵を描くのはどうだろうか。「アツアツのうちに食べたいけどその前に絵も描いておきたい」というシチュエーションの時、下敷きスケッチはきっと活躍するだろう。と食べ終わった後に気づいた。
早さを要するもの探し
普通にスケッチするよりも、早さがウリとなるだろう下敷きスケッチ。その検証に相応しいものを探して不忍池周辺をうろついた。
そうだ、動物はどうだろう?チマチマ描いていたらその間に逃げてしまう所、下敷きスケッチならなぞるだけだから早く仕上がる。よしあのスワンボートに乗った鳥を描こう! と思った瞬間にバサバサ飛び立っていってしまいましたよ(笑)
そして見つけた謎の石
飛び立つ鳥を目で追いかけ、「ああ、早く描かなきゃというシチュエーションてそんなに無いな。下敷きスケッチは役立たず」とガックリ視線を落とした。するとそこに奇妙に並ぶ石たちがあった。
JALパックのチラシの上に並ぶ石達。紙が飛ばないように押さえているという風でもないし謎である。つげ義春さんの漫画に出てくる石売りを思い出し、ちょっと不思議な雰囲気。勝手に動かしたら怒られたりするんだろうか?なんだか分からないけど描くなら今だ!
怪しい石。そして近くにあった公衆トイレを描いた。 こういった、マジマジと観察していられないものを描きたいなら下敷きスケッチが向いているだろう。
普段カップルをマジマジと見る事はできない。ましてやカップルを鑑賞しながらスケッチする事なんて到底できないだろう。しかし下敷きスケッチならいけるかもしれないぞ。一瞬で描くのだ!
いくらボートがそんなにスピードが無いとはいえ、動くものを瞬時で描くのは難しかった。描いている間にお互いのボートが離れていく。(追いかければ良かったかもしれないが怪しすぎる)
透明の下敷きに残ったのはやる気の無い鳥と汚いドロ舟のような絵。全然カップルの絵じゃない。もういい、もう充分だ。
景色編まとめ
早く描けるかもしれないけど、ただそれだけです。
早く描けるけど上手くは描けない
最初は良いこと思いついた!とテンションが上がったのに、描いていくにつれて残念感が強まっていった今回の企画。
焦点合わないわ、手で持つとブレるわ油性マジックは線が太いわ消せないわ色数限られるわ・・。
でもこれ、似顔絵描きの遊びとしてはとても面白い。思ったより上手くは描けないんだけど、なんとなく似ているのだ。 変なのができても「いや、なぞっただけだから!」と言い訳もできる。 雨の多いこの季節、家の中でいかがでしょ。