これが簀立というものか
陸からすぐの場所に立てられた動物ふれあいコーナーみたいな竹の囲い。どうやらこれが簀立のようだ。テレビなどで見て想像していたイメージよりもコンパクトな作り。頭の中で定置網とごっちゃになっているから小さく感じるのかな。
こんなに陸近くの浅い場所でちゃんと魚が入るのかなと不安になるが、今が一番潮が引いている時間だから水深が浅いのであって、12時間前は今より2メートル近くも深いのだ。干満差、最高。
この日の天気は風が強めの曇り空。簀立遊びがどの程度まで濡れるのか、水がどれくらい冷たいのかがわからなかったので、念のためにと腰まで隠れる長靴を履いてきたが、そんな人は仕切りの漁師と我々夫婦だけだった。
ちょっと気合が入りすぎていて恥ずかしいが、野球観戦に応援するチームのユニフォームでくるようなものと考えていただきたい。漁師コスプレ。よけい恥ずかしいか。
簀立の仕組み
魚を捕る場所は、簀立の一番奥に当たる場所。満潮時に陸へと伸びた竹の壁に沿って泳いできた魚が、ここに迷い込んできているのだ。
遠浅の砂地なので、簀立に入る魚はスズキやボラ、アオリイカにワタリガニといった感じだろうか。やはりここは富津らしく、スズキあたりをガッチリとキャッチしたいところである。
興奮の干潟
夢の扉を越えて、一歩簀立の中に入ると、すでに高めだったテンションがさらにアップ。「この網でなんでも捕れる」みたいな万能感が、参加者全員の意識を支配している。
「全員が入るまで網を入れないでください!」という漁師の声が海に響く。早い者勝ちだけにスタートは一斉でなければいけない。
この日は潮がそれほど引いていないようで、簀立の中は想像よりも水深が深く、普通の服だと油断するとパンツまで濡れてしまいそうだ。
やっぱりウェーダー(私が履いている防水ズボン)を履いてきて正解だったなと思う反面、こういうのはビショヌレのドロドロになってやったほうが楽しいんだよなとも思う。来年はそうしようかな。