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フェティッシュの火曜日
 
もうずっと野良犬を探しています
銀座ののらいぬの正体が明らかになった

今日遅くなるから、と家族に告げるとき、何で遅くなるのか言えない自分に気づく。

そうです、私は野良犬を探しているのです。

当サイトの動画コーナー・プープーテレビで都心に一番近い野良犬を探してはじめ、もう五ヶ月になる。(毎週金曜公開ののらいぬさがしシリーズ)

なんでまた野良犬なんか…という思いをぐっとこらえて探し続けていたら、先日ついに一匹発見。

…ものすごく嬉しかった。

今日はそんな野良犬さがしの顛末とその魅力をご紹介したい。

大北 栄人



のらいぬハンター・安藤昌教

この一連ののらいぬさがしシリーズは安藤さんの手によるもの。

野良犬を探したいという安藤さんに、だったらカメラ回しますよとついていってたのだ。


野良犬のいる風景は幸せな風景だという安藤さん。「のらいぬ」とかなで記してるのもそのせいか。

だんだん楽しくなってきてしまった

この安藤さんについてのらいぬアタックの旅に出ること四回、だんだんと楽しくなっている自分に気づいた。

その楽しさの肝は「聞き込み」にある。

聞き込みで徐々に明らかになっていく事実、点と点がつながる快感。

これからその顛末を紹介していくことで、明らかになっていく気持よさがわかると思う。


この楽しさを「聞き込みエンターテインメント」と呼んでいる

概要

のらいぬさがしシリーズは「東へ」「西へ」「銀座へ」「朝の銀座へ」と4回探しに出かけている。(それプラス安藤さんによる番外編が2つ)

「東へ」探しに行ってあとちょっとのところでいなくて、
「西へ」探しにいってこれもあとちょっとのところでいなくて、
「銀座へ」探しに行ってこれは時間が合わなくて、
「朝の銀座へ」出直して、いた‥‥飼い犬が。

先に言ってしまうと、これが今までの全てである。ゴールが飼い犬かと思われたかもしれないが、大丈夫。

何が大丈夫なのかは全くわかってないが、順を追って紹介していこう、まず「東へ」シリーズ。


常磐線をアタックした東へシリーズ

のらいぬさがし東へ・シリーズ

かりんとうまんじゅう編プープーテレビはこちら
貴重な情報を入手編プープーテレビはこちら
霊園編プープーテレビはこちら


東京から茨城方面へ

第一回は東京上野から常磐線を下ってのらいぬを探した。その先にあるのは茨城。

茨城は安藤さんがかつて住んでいてのらいぬをよく見たという。ならきっと茨城にはいるだろうから、どこからいるのかその境界線を調べに行こう。そうやって、この企画はスタートした。


記念すべき一人目の聞き込みは日暮里の駅員さん
北千住降りて「いない」と言い切る、安藤さんののらいぬハンターっぷり

東京はもう、いる気配が全くない

日暮里で駅員さん、消防士さん、と聞き込みをしてみたが、いないという。北千住でもいない。

のらいぬについて聞いてみると、聞かれた方がびっくりしていた。のらいぬが身近でなくなって、もう存在がギャグみたいになってるのだと思う。


いないと分かると、じじい散歩番組みたいなところに逃げようとする

うまいもので穴埋めしようとする

あまりに何もなかったので、安藤さんが駅でまんじゅうを買い始めた。

第一回目だからか何も収穫がなかったプレッシャーに負けて、美味しいもので穴埋めしようとしたのだろう。

と思ったら、この「いなかったら美味いもの探しに逃げる」傾向は最新作でもしっかり確認できる。


のらいぬさがしシリーズの特徴

うまいものさがしに逃げようとする


続いては千葉の松戸に移動。


八百屋さんでは「ペットショップで聞いてみたら?」と
ここのお母さんから出るわ出るわのらいぬ情報が

ついにたどり着いた

二駅探して何人も聞いて誰も情報を持っていなかったが、松戸の八百屋さんでは「ペットショップがあるから聞いてみたら?」という情報をもらえた。

そのペットショップに行ってみると、店のお母さんが犬の保護運動もしていたせいか、熱のこもったお話を聞けた。

そしてついにのらいぬ情報を得た。

きた、八百屋さんで聞いた一言がのらいぬ情報につながった。

こういう時心の中ではサスペンス映画のような盛り上がりがある。でもそれってたかがのらいぬのことなんだよな‥‥という葛藤は未だに解消されていないが。


のらいぬさがしシリーズの特徴

情報がつながったときが最高の盛り上がり


のらいぬ愛好家にとって茨城は一目置く存在なのか

霊園にいる!?

最近はのらもいなくなったと店のお母さんが言う。

10年くらい前、荒川沿いの工事のおっちゃんたちがのらに餌付けしてたそうだが今はもういないらしい。

茨城は未だにいるわね、とさらっと片付けてたあたり茨城の格の違いを感じた。


のらいぬさがしシリーズの特徴

茨城がなぜか別格扱いである


そして私たちが最も心を動かされたのは松戸の墓地でのらいぬを見たという話。

「この前墓地のとこで首輪もつけてないのがフラフラいたわよ、のらちゃんじゃないかしら?」とお店に来たお客さんが言ってたそうだ。

のらちゃんじゃないかしら、か。ドラえもんに出てきそうな夢にあふれた台詞である。


霊園近くの交番では「いないから大丈夫」との返答。この辺はのらいぬが身近な危険なのか?

松戸の墓地に行く

東京都立八柱霊園。東京都の霊園が千葉県の松戸にあるなんて知らなかった。

この霊園に辿りつくまでが石屋ばかりなのだが、この石屋の多さをどうしていいのか本当に分からない。

また石屋!また石屋!という驚きがいつまでも続き、本当の意味で夢のような道であった。


石材店で「のらいぬ?知らないねえ」と聞いてテンションだだ下がり
「都」が強調されてるのはたしかに。ここは千葉だ。

いないことが95%確定

石材店でも「見たことない」と情報を得た上で、霊園の管理人からも「のらねこしかいない」という情報をもらった。

毎日管理してる人が言うのだ。いるわけがない。

それでもここまで来たのだから「せめて野良猫でも‥‥」と野良猫がよくいるスポットを聞いてそこまで歩いた。


のらいぬさがしシリーズの特徴

よくのらねこ探しに逃げる


いたとしても猫なのだ。

松戸まで犬探しに来て犬の代わりに猫を探し求めてさまよっている。一体、この時間は何なのだ。


のらいぬさがしだっていうのに、猫探してそのうえいないとは

東へシリーズ一旦終了

のらいぬさがしのはずがのらねこを探してしかもいないという散々な話になっていた。なんだこれは、落語か。落語に出てくるドジな町人の話か。

さて次は松戸の先に…となる予定だったがぼやぼやしてるうちに大震災。交通機関が不安だったりして、先に西側を探そうという話になった。


よく夕日をバックに撮ろうとするが、のらいぬ探してる人なんてかっこよく撮ってもしかたないのだ

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