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フェティッシュの火曜日
 
心ゆくまでカエルを味わう
結論から言うとカエルはおいしい。

「カエルの肉の味は鶏肉と魚の中間くらい」。そんな話をよく聞く。私も大昔に食べた事があるが、記憶に残っていないくらい淡泊で食べやすかった。

ゲテモノ扱いされがちだけど、味がこんなに食べやすいならもっと構えずに普通のお店に置かれていてもよいのでは…とよく思う。

そんな私の希望通りの、カエルを気軽に出している普通のお店を探して食べてきました。人はもっとカジュアルにカエルを食べてもいいのだ…!

ほそいあや



居酒屋のカエル

以前、ウェブマスターの林さんがデイリーメンバーを引き連れて居酒屋「村さ来」で変わった肉を食べるレポートがあった。(参照記事:池袋の「村さ来」にはサソリがある
上記のレポでもカエルの唐揚げを食べているが、やっぱり「鳥と魚の中間でうまい」と書かれている。

ちょっと盛り上がるし、居酒屋にはぴったりのメニューなのだろうな…と思って探していたら他にも置いてある店がいくつかあった。


50円焼き鳥の店「きんちゃん家(北千住店)」に来ました。

カエル食べ隊

ことあるごとに「カエルが食べたいのだけど、誰か一緒に行きませんか」と話してきたのだが、デイリーにはカエルが苦手のライターが多く、なかなか実現しなかった…。
そんな中「カエル食べたい!」と快く応じてくれたのはこの二人。


狩猟系ライターの玉置さんと平坂さん(ペアルック)。よくわからないけどカエルを食べる意欲が伝わってくる。

前日に何を着ていくか打ち合わせをしたそうだ。なんの意味があるのかは知らないけど。
お二方とも釣りや生き物の捕獲、そして「ちょっとヘンな物を食べる事」を守備範囲としているデイリーライターである。食への探求心が高いのだ。ただその一方で「企画がかぶる」という懸念もあるようだ。ここではカエルを食べながらお互いの方向性について心ゆくまで語り合うとよいのではないだろうか。

焼きガエル。カエルは上半身を使わないので食べるのは下半身だけ。

おいしい

お尻とふくらはぎの丸みがなんか可愛い・・・。身が締まっていて、めちゃくちゃマッチョな魚がいたらこんな感じだろうという味。塩で焼いてあるだけだけど臭みもなく、誰でも食べられる味だと思う。


「カワハギのほほ肉みたいでおいしい。魚のあらをほじくって食べてるみたい。」
「弾力のある鶏もも肉みたい。ジューシーでおいしい。」
本当に鶏と白身魚の中間だ。筋肉質なのがいいわー。
食べた後に「鏡のパントマイム」をやりだす二人

 

トカゲも食べてみた

もうひとつの変わりメニューのトカゲを注文してみた。こちらは全身だった。


困った事に、可愛い。

味の表現がむずかしいけど、強いて言うなら魚の干物

皮は完全に魚。干してあるせいか魚の干物のようだった。玉置さんは季節外れのカマスの干物だと言っていた。
私は池の味を感じた。ちょこっとだけ、さっきまで池に居ただろっていうフレーバーがするのだ。
味は悪くなく、ちゃんとした干物としてアリだと思う。ただあまり食べるところがないので最初から魚を食べたほうがよいのか。見た目重視のパーティーメニューなのかもしれない。


トカゲを回し食いする人たち。つぶらな瞳と目が合うと哀れな気持ちになるので遠くを見ながら食べましょう。
今食べているアニエスベーが「トッケイ」と鳴くなんて…あまりの可愛さに切なさが爆発……


正体は、トッケイというヤモリ

生物に詳しい平坂さんが、これはおそらくトッケイというヤモリじゃないかと教えてくれた。「トッケイ」という鳴き声で鳴くらしい。なに!また可愛さがアップしてる。
帰ってから画像検索などをしてみたら、可愛すぎてめちゃくちゃ後悔した(爬虫類だめな人は押しちゃだめ)。
そしてwikipediaでは鳴き声が聞けたのだが、なんだこの愛らしいボイスは!…ううう。
可愛いものを食べた時だけ後悔する、人間って身勝手な生き物ですね。


飼いたいと思ってしまいました。食べたけど。

 

カエル(中華編)

さて、カエルに戻ります。カエルといえば中華食材で有名だ。本格中華料理としてのカエルを食べに、横浜中華街にやってきた。


こんな時にしか来ない。

中華街にある「福満苑 新館」にはカエルの「塩味の炒め」や「なんか辛くしたやつ」があるらしい(あいまいなのは電話できいたから)。一昨日カエルを食べたばかりの平坂さんが今日も来てくれた。こんなに集中してカエルを摂取してくれてどうもありがとうございます。

茨城からはるばるお越しいただいた。カエルのために…
中華街らしい落ち着いた店内。

 

カエルの塩味炒め

一見鶏肉のようだけど、よく見ると結構カエルカエルしている!ほんの少し生々しい質感がカエルの生前を彷彿とさせる。


ぷりぷりのシズル感。味は、高級感ってこういう事かという感じです。

中華料理としてとてもおいしい。味付けの妙だ。淡泊なカエル肉になじむような絶妙な味付けがされている。中華すごい。
昔、横浜に詳しい人に「中華街のお店で美味しいところ知ってますか」と聞いたら、「中華街はどこ入ってもうまいからラクだよ」と言われた事がある。なるほど…さすが中華街って事か。

平坂さんの感想は「この前のは素材そのままって感じだったけど、これは食材として生かされている」「ハリセンボンに似ている。鶏皮みたい」という事だった。ハリセンボンかー。


「ハリセンボンに似ている」って一般人にはわからないコメント。
骨つきだけど身離れがよい。部位によって鶏皮みたいなのがあるのもよい。

カエルの四川風水煮

「水煮」とは四川料理で花椒のしびれる辛さが特徴の汁料理で、よく牛肉や魚などが使われる。私はこれが大好きだ。カエルにも合わないわけないですね。


カエル好きになったタイミングでこの水煮が食べられてうれしい。

辛い。おいしい。水煮がおいしいのかカエルがおいしいのか、もうどちらでもいいのだけど、クセのある魚や肉だったらこうはいかないと思う。カエルもおいしいし中華街もえらい。

カエルが辛くてなぜおいしい!
ビールにすごく合う。

食卓にもっとカエルを!

どんな味にも馴染んでくれるカエルはどんな料理でも自在に適応してくれる食材かもしれない。高級食材というわけでもないし、日本の食文化にもう少し浸透してくれたら…なんて思ってしまう。でもカエルが苦手な人も多いので、そこはぐっと我慢します。

臨時テーブルの組み立て方がわからずビールケースと板で席を作ってくれた店員さんに萌えた

 
 

 

 
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