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ちしきの金曜日
 
レモンステーキがうまい件について
 

佐世保に、「レモンステーキ」という名物がある。

「レモンをステーキみたいに焼いたもの?」

― いんや。ちがう。

「どうせまた、最近はやりの地方B級グルメでしょ?」

― いんや、ちがうちがう。

レモンステーキとは…私がこれまで食べた全レモンステーキの記録を振り返りながら説明したいと思う。

T・斎藤



元祖レモンステーキ

レモンステーキは、佐世保にある「れすとらん門」というお店が元祖らしい。


有名店です。
が、2回訪れたもののどちらも空振り。

高級感溢れるお店で、レモンステーキは昼で3,000円、夜は4,000円とけっこうイイ値段する。

が、元祖というからには行かねばなるまい…と、勇気を振り絞って訪れたものの、満席だったりラストオーダーの時間を過ぎていたりで、2回行って未だ入れず・・・。

というわけで、残念ながら未食。

マイ・ファースト・レモンステーキ

そんな私の初レモンステーキは、道沿いにでかでかと
「レモンステーキランチ 980円」
と書いてあったお店にて。


堂々たるレモンステーキの文字。しかも980円。
謎のオブジェがあちこちに。

店先で人形が腕を組んで座っていたり、普通の入り口とは別に迷路のように遠回りする入り口があったりと、全体的に趣味度の高い店だった。

(すごくいいお店だったが閉店してしまい、今はもうない)


じゅわーーーーーじゃーーーー。

熱々の鉄板の上に薄く切った肉。
肉は最初ほぼ生で、それが目の前で火が通っていく。その上に醤油ベースのソースがたっぷりとかけられ、鉄板の熱でグツグツと沸騰中。そしてレモン。

私は最初、レモンステーキがどんなものかをまったく知らず、「大量のレモンをステーキっぽく焼いたもの?」とか思っていたくらいなので、これが出てきた時は相当衝撃を受けた。

そして猛烈にうまかった。
一人だったが、この感動を今すぐ誰かに伝えたくて、電話しようかと思ったくらいだった。


で、再訪。

マイ・セカンド・レモンステーキも同じ店。

この時はある程度肉に火が通るのを待ってから写真を撮ってるのがわかる。(色合いが違うのは他にも、光線の具合とか、カメラが変わったとかそのへんの影響もあるが)

レモンの少し上に見える黄色い塊はポテトサラダで、レモンステーキ汁をつけて食べるとこれまた絶品だった。

いきなりオリジナル・レモンステーキに挑む

次のレモンステーキは何を血迷ったか自作だ。


この肉を見た瞬間、「レモンステーキだ!」と思った。

友人が神戸牛を送ってくれた。
スキ焼き用だろうか、薄切りになっており、それを見た瞬間レモンステーキの姿が頭に浮かんだ。(無謀にも浮かんでしまった)


魔が差したとはこういうことを言うんだろう。

レモンステーキのソースは、醤油ベースにレモン。
食べると甘酸っぱいから、甘み要素となる何かも入ってるんだろう。

が、何を間違ったか私はそれを「金蝶ソース(すべて長崎味になる魔法のソース)」と「かぼす汁(かぼす⇒大分⇒九州らしさ)」のブレンドで再現しようと試みてしまった。レモンでもなければ醤油ベースでもない。

結果は惨憺たるもので、肉を焼き始めるやいなや娘から
「今日は焼きそばぁ?」
という声が飛んできた。
事実、「焼きそば味の焼肉」としか言いようのないものができあがった。

レモンはなくともレモンステーキ

というわけで、それ以来自作はあきらめ、ひたすら外で食べることとなる。


あれ、レモンないけど?!

次に食べたレモンステーキは、レモンの姿がないことに困惑した。
本当にこれはレモンステーキなのか?
それともただのステーキなのか?

答えは、これで正しい。
レモンステーキは必ずしもレモンが乗ってるわけではない(ということを後に学習した)。元祖である門のレモンステーキにもレモンは乗ってないそうだ。


ひっくり返して裏も焼いた。

また、こちらの店では付け合わせが味噌汁・漬け物と、完全和食スタイルだった。個人的にやはりこのスタイルが一番落ち着く。(佐世保駅近くの喫茶店・リベラにて)


ザ・和食。

これまた異なるスタイルのレモンステーキ。

こちらは最初からある程度焼かれた状態で出てきたレモンステーキ。こうして見ると、いわゆる焼肉定食にも似ていることに気づく。(ジャンボシューで有名な「蜂の家」にて)

レモンステーキの駅弁

駅弁スタイルのレモンステーキも食べたことがある。


レモンステーキ弁当。

しかし、これにはやや疑問を感じた。
レモンが無いことに加え、鉄板ジュ〜も無いので、レモンステーキ歴の浅かった私は、「焼き肉弁当?」と思ってしまった。

さすがに「駅弁」という制約の中でレモンステーキを再現するのは難易度が高いのかもしれない。

丼スタイル

こちらは丼(どんぶり)スタイルのレモンステーキ丼。


レモンステーキ丼

レモンステーキそのものに馴染みがない人にとっては、変化球がさらに変化して消える魔球のようだと思うが、これが意表を突いて猛烈にうまかった。


今まで食べた全丼の中で一番うまいのでは?という勢いだった。

和風ソースの上品な味付けに、レモンのさっぱり感。
肉の下には浅漬けのように味の付いたキャベツが敷いてあり、これがまたうまい。上に載ったシソの天ぷらも絶妙なアクセントだった。

ちなみにコレを食べたのは、島から島へと橋を4回渡らないと辿り着かない島にあるホテルのレストラン。(⇒ 地図

なんでこんなところにホテルが?!と思ったくらいすごい立地だった。


あんなところにホテルが!
という、すごいロケーションにあった。

ステーキステーキ

「牛右衛門」という長崎に何店舗もあるステーキ・レストランがある。安いので私もたびたび利用してるが、そこがレモンステーキを出してきた。


肉が分厚い。

ステーキを得意としてるだけあって、肉が分厚い。

レモンステーキの特徴のひとつである「肉が薄い」というルールを破ってしまっているが、味はしっかりレモンステーキでうまい。こういうスタイルもあるのだな、と思った。
(その後3回リピート)

最後にスタンダードタイプ

こちらは「時代屋」というレストランのレモンステーキ。
この店のシェフも元祖レモンステーキの開発に携わったという有名店だ。


湯気がすごい。

猛烈にジュージューしている鉄板が来た。
立ち上る湯気がすごい。
ソースもグツグツ沸騰している。



やはりこの鉄板ジュージュータイプのレモンステーキは迫力があっていい。

肉の脂もすごかった。(個人的には脂はもう少し少なめでもいいが)

以上、私がこれまで食べた全レモンステーキを振り返ってみた。振り返ってわかったことは、スタイルは意外と店によってバラつきがあるが、タレの部分では一致していること。

このタレを満喫するために、ごはんにかけたり、タレの中にごはんを入れて食べることも正式に推奨されている。このレモンステーキ汁ご飯がまたうまくて…

要するにまた食べに行きたい。


 
 

 

 
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