デイリーポータルZロゴ
このサイトについて

生放送ログ
 
新書のタイトルを考えよう


新書のタイトルの七つのパターン

江守:きょうの本題は新書のタイトルって面白いよねってところが話の核になっているので、7つのパターンを説明したいと思ってます。

試験には出ないが覚えておこう!


その1 なぜ○○は××なのか〜 基本あるある

ガギグゲゴが気になる

江守:これは皆さんご存じの「さおだけ屋はなぜ潰れないのか」のパターンですね。
林:2行目の「怪獣の名はなぜガギグゲゴなのか」がおもしろいんですが、江守さんが考えたわけではないんですよね。
江守:実際にある本です。この特徴としては基本あるあるなんですよね。共感させてなんぼなんで。はいはいはいといわせて、書店で手に取る。
ただ、なかには「え、そうだっけ?」というものもある。うちが出したやつで「なぜ人は砂漠で溺死するのか」というのがある。
横山:これすばらしいですね

「なぜ人は砂漠で溺死するのか?」

江守:「そんなことある?」って思わせたくて、というタイプですね。

その2 ○○の品格・4年で百数十冊

品格もついに猫まできた

江守:次が品格。 これは国家の品格が代表格なんですけど、その後に女性の品格というのが出ました。坂東眞理子さんが書かれた本なんですけど、なんとこれが2番手なんですが本来のものよりも売れて300万部突破してるという。

その後、品格ブームというのがおきてですね。新書以外も含めると4年間で 百数十冊品格が出たっていう。
べつやく:ここにあるのは一部なんですね
林:品格の対象がどんどん狭くなっていますね
べつやく:朝めしの品格ってすごいですね
江守:おかしなのも混じってきますよね。猫の品格とか。

その3 ○○力・著者の説得力が必要

空腹力という力が出にくそうなものも

江守:よく皆さんが目にしたのは羽生さんの 「決断力」だと思うんですが
べつやく:これが一番最初ですか?
江守:いや、○○力というのは昔からよくあるパターンではあるんですけど。これもやっぱりおもしろくて、羽生さんが決断力というから良くて。そのあと同じ将棋の谷川さんが「集中力」という本だしてるんですが、それも谷川さんが言ってるからいい。すごくストレートなことを言っているので説得力がある人が言わないと困る。
横山:このタイトルがあってこの著者の名前で成立するということですね。

林:もうコメントでたくさん考えている人いますよ「摩擦力」とか。これ物理の話ですね。
江守: 空腹とか脇役とかねまあ、亭主力とかまあ、いろいろあります

その4 ○○な若者たち〜disりで

江守:その次に「○○な若者たち」。「他人を見下す若者たち」 が 現代新書から出て以来、 わりといろいろ 出ているのですが 、これは若者をおじさんがdisってですね 気持ちよくなる本です。

だんだんひどい扱いになる若者たち
横山:絶えず若い奴らはばかにされてますからね。
江守:読んでるとだんだんひどいんですよね。
最初は見下すぐらいだったんですけど、退化させられたりとか 、日本を降りるとか言われちゃったりとか。僕もセックス嫌いという本を作ってみたんですけど。
「セックス嫌いな若者たち」の著者は当サイトライター北村ヂンさんのお父さんです

その5 ○○化する×× 〜 オニババが口火を切る

江守:「オニババ化する女たち」というものがあって、このあとに面白いなと思ったのが「オレ様化する子どもたち」。
横山:このパターンでいちばん売れたのはなんですか?

「オレ様化」「無頼化」ついに「テロリスト化」

白川:どれでしょうね。オニババ化は売れましたね。
林:テロリスト化するクレーマーたち。
べつやく:おそろしいね。
江守:無頼化する女たちもありますが、新書は男性読者が多いのでちょっと女性をそういう目で見るのは出がち、な気はします。
林:東浩紀さんの「動物化するポストモダン」が最初ですか?
江守:社会学者の人はわりと使いがちですね。鈴木謙介さんの「カーニヴァル化する社会」とか。



<もどる ▽この記事のトップへ つぎへ >
 

 
Ad by DailyPortalZ
 

▲トップに戻る バックナンバーいちらんへ
個人情報保護ポリシー
© DailyPortalZ Inc. All Rights Reserved.