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とくべつ企画  
 
沖縄の食品サンプルが独特

制作行程をみせてもらった

社長: 沖縄の気候ではケースに入れていると熱くなってロウで作ったサンプルは溶けてしまうから、はじめた頃は素材を工夫したよ。

今は熱硬化樹脂を使っている。硬化樹脂は元々は透明な水のようなもので、熱を加えると固まる性質がある。

これが熱硬化樹脂


緑色に色付けされています。

社長:これで何が出来るか考えてみて。

1.温めたプレートに樹脂を流し込む


2.プレス


3.プレートの熱で樹脂が固まりました


4.プレートからはがす


5.形を整えて色付け


6.正解はパイナップルの葉っぱ


葉っぱって! そんなの細かすぎてわかりません。

プロ相手だから勉強になって楽しい

お話を聞いている最中もしきりに「本物ですよね!?」「すごい!」とはしゃいでしまう私。


これもサンプル。

社長: でもプロの人は目が肥えているよ。 僕らはいろんな業界からサンプルを頼まれるでしょ。みなさんそれぞれにその道のプロなので、例えば肉屋さんだったら「この白身はストレスがあるときに出る白身だから、サンプルには入れないで」と、とても丁寧に商品のことを教えてくれる。 お菓子屋さんだったらオーブンを開けてたくさん並んだお菓子の中から「この色じゃないよ、この色でもない。この色にして欲しいんだ」とか。

普通は肉は肉だし、焼き菓子は焼き色が付いたらいいと思うでしょ。 大変だけど、でもそのこだわりがプロなんだし、我々もサンプル職人として、ちゃんとプロの目を意識して作らないといけないと思っている。

これは刺身

肉も刺身もお菓子も作るのがサンプル職人なのである。

社長: この商売は何かというと付加価値の商売だから。 現物を並べておくと痛んでくるし、その度に交換するのも大変。 本当は現物の方がいいはず。でもそれをサンプルに変えてもらう。だからあくまでも付加価値の仕事なんでどこかで妥協してもらうことは必要。

でもその道のプロの人は妥協してくれないし、(一番良い状態のものを)と期待はどんどん膨らむ。 だからコミュニケーションはやっぱり必要。 要求が多いほど見積もりにも反映してくるし、どういうものを必要としているのか、 商売用なのか、研究用なのか、おもちゃなのか、何に使うかでクオリティも違っていいはずだし、価格も変わる。だから一概に見積もりは出せないけど、ありがたいことに注文が来たらほとんど納品まではできているよ。

たくさん使う物は作りだめしているそうです。


見慣れない光景その2(引き出しに天ぷら)

天ぷらの注文が来たらすぐに出せるそうです。 ただし食べられないけど。


食品サンプル職人になりたくなってきた

1時間ほどお話を聞かせていただいて、最終的には真剣に転職を考えていました。 私の職が変わってどうする。

1個からでも制作可能だそうなので、こんなサンプルを作って欲しいというご要望があれば山月さんに相談してみてはいかがでしょうか。

『食品サンプル 山月(さんげつ)』
https://www.sangetu-okinawa.com/

最初にご紹介したお店にもぜひ行ってみてくださいませ。

『shopムーンリトル』
〒900-0013 沖縄県那覇市牧志3丁目23番34号
電話番号:098-866-1024
営業時間:9:00〜18:00 定休日:日・祝祭日(土曜不定休)


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