朝にラーメン
ダイエット中の妻は朝だけ炭水化物をとる。寝るまでのカロリー消費で相殺されるからだ、と言っていた。
その論理を10分くらいかけて丁寧に拡大解釈すれば朝にいくら食べても太らないということになる。なら、油たっぷりラーメンも大丈夫ということでよござんすな。
朝にごちそうを用意すると寝付きが良い
明日ラーメン食べに行くんだ。前日の夜、妻にそう言った。心躍ってついもれたのである。
もれた。たしかにあれはもれた。翌日の朝にごちそうを用意しておくと、口からついもれてしまうくらい前の日の気分が高揚するのだ。
そしてそれは当日の朝も変わらず楽しみだった。寝る前から起きた後も。この期待持続時間の長さはけっこうすごい。
→ 『朝にお楽しみは前の晩から楽しい』
朝ラー文化は存在する
ところで朝にラーメンを食べる朝ラー文化は実際に存在する。福島県喜多方市や静岡県藤枝市では朝にラーメンを食べられる店が多い。
東京でも24時間営業のラーメン屋があちこちにある。ここらーめん道楽新宿店はいわゆる「二丁目」の近くにあって水商売帰りの方で朝はにぎわうという。
どちらかというと夜の延長線として開いてる店に、私たちは本気の朝食をとりにいく。
ハイカロリー一丁!
とんこつで油もばっちり浮いてる。これが朝食なのか。「これ見栄えいいよ」とオススメしてもらった道楽ラーメンに餃子もつけた。
「こんなにカロリーをとってしまってはおてんとさまに申し訳ない」 肉体労働をしていない自分にとっては昼であっても夜であっても頼むのに気が引ける構成だ。
だが、今日ばかりは朝である。日中すべて消化するつもりで食べさせていただく。
→ 『朝の高カロリーは前向きな気持ちに』
ラーメンがさわやかになる
朝からそんな食欲あるかなと思っていたが、そんな心配はいらなかった。
ラーメンがさわやかなのだ。
朝食が来るものと思っている胃は、あの油っこいラーメンに完敗するだろうと思っていた。だが結果はちがった。むしろラーメンが同じ小麦で作られたパンのように思えてきたのだ。
待てよ、そもそも朝食とはさわやかなものを食べているのではなく、朝に食べているからさわやかなんじゃないか。よく考えたら、炭水化物にバター乗せてたりする。
→ 『朝に食べると物自体がさわやかになる』
食う、わしわし食う
いける。全部食える。食うぞ、と心してかかると朝でもけっこう入るものだ。
脳が満腹中枢にさるぐつわかまして「今ならカロリーノーカウントだぞー!(※そんなことないだろうが)」と叫んでいる間に、手と口が連携プレーでどっどこどっどこ胃に熱量を運んでいく。それは怪盗ルパンの物語のように鮮やかな手口だ。読んだことなくてよくわからないけど。
→ 『朝はけっこう食える』
そのさわやかな違和感に途中何度も笑ってしまったが、さわやかラーメン大盛とさわやか餃子を完食。大盛りラーメンなんて食べたの何年ぶりだ。
腹パンパンや……という状態は90分もすれば胃の下の方にくる感覚でやわらいだ。さすが朝。体が活発に動くからか復活するのも早い。
→ 『朝の胃は回復が早い』
夜飲んだ後に「しめ」と称してラーメンを食う文化がある。あれを最近やったら、翌日の夕方まで胃もたれした。
だが朝のラーメンはちがう。一回睡眠をはさむだけでこうもちがうかというほど普通のご飯になる。
朝食と昼食との間に4時間しか空いてない(夕飯までは7時間以上あるのに)のはそういうわけだろうか。
昼食は食べたら眠くなるけど、朝食はあまり眠たくならなかった。個人差はあるだろうが、私はそうだった。
→ 『朝食後は眠くなりにくい気がする』
集中力が上がった
脳年齢テストの結果は33歳(通例35歳)。上がった。集中力が上がった。ラーメン食べたら頭よくなった。朝にラーメン食べて東大に行こう!
数独タイムは20分(通例20分)。数独に関しては昨日の問題がむずかしすぎた。
取材協力
ラーメン道楽 新宿店
https://www.ramendouraku.co.jp/