初体験の豚すき焼き。…吉野家が豚丼を出し始めた頃のことを思い出しております。

ところで実家では、すき焼きを食べるときは決まって父が味付けをしていました。普段、母の料理にはほとんど口を出さないというのに、すき焼きとなると目の色を変えて砂糖をまぶしたり、醤油を足したり。

私はそれを「西洋では家長である父が肉を切り分けるというが、似たようなことをやりたいのだろうか」と思って見ていたのですが、最近になってその考えが間違っていたことに気が付きました。それというのも、うちの母は肉を食べないのです。ほぼ菜食。味付けもアッサリしたものが好み。

そんな人に、すき焼きの、生卵に肉を浸してもなお口に残る甘辛い割り下を、肉に絡みつく割り下を、作らせてどうする！ せっかくの牛肉なのに！　大好きな牛肉なのに！　…ああ、今なら父の気持ちが痛いほど分かります。あなたは正しかった。肉において、あなたは全く正しかった。 ( 2006/12/06 00:00:00 )