日本全国にはたくさんの城跡が残っているが、天守が現存しているところはわずか12しかない。 (あちらこちらの城跡にある天守閣とか名の付いた建物は、たいてい鉄筋コンクリート造の現代建築。 中にはもともと天守が存在しない城なのに、町おこしのために無理やり作っちゃったところもある)。 その現存天守の中でも、より学術上重要な4城の天守が国宝建造物に指定されている。
松本城の天守も、国宝4天守のうちの一つ。 黒張りの下見板を持つ複合連結式の天守は、重厚感があってカッコ良い。 ……っと、ここは天守について語る場ではなかった。あくまで主役は階段だ。
天守の階段はとても急だ。これは何も松本城に限ったことではない。どの現存天守でもそうだ。 侵入者に攻め込まれにくいように急にしてあるという説もあれば、 より少ないスペースで階段を設置するのでどうしてもそうなってしまうという説もある。
それにしても、なんとセクシーな階段であることか。 巧みに組上げられた梁や柱、すすけた壁、黒く光る床板。いやはや、たまらない。 古いモノは良い。古いモノにはそれ特有の臭いというか、何かがある。 材質の古び具合というか、積み上げられてきた年月の重みというか。 それが、たまらなく好きなのだ。 ( 2008/09/19 16:00:00 )
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