路上観察において、なぜそこに残されているのか分からないが、 ある種の美しさや不思議さを持つ無用の長物のことを、トマソンという。 そのトマソンの分類の一つに、純粋階段(あるいは無用階段)というものがある。 建造物の撤去や構造の変化などにより、階段の先にあるべきものが失われている状態の階段のことだ。
千葉県にある佐倉城跡にも、そのような階段がある。 城跡の池の横になぜかポツンと残るコンクリート製のその階段。ご覧の通り、階段の先には何も無い。 意気揚揚と階段を上っても、登頂と同時に足を踏み外して落ちるだけ。
ふと階段の横を見ると、そこにはこの階段の由来が記された看板があった。 それによると、この階段は明治時代に陸軍の飛び降り訓練用として使われていた階段なのだそうだ。 コンクリート製なので撤去が面倒だったらしく、今に残されたらしい。 しかし、飛び降り訓練用の階段って。世の中には凄い用途の階段もあったモンだ。
ちなみにこの階段、その不気味さから心霊筋の人たちからは「13段の首吊り階段」と呼ばれているらしいが、 数えてみると12段しかない。 ( 2008/09/23 16:00:00 )
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