ジャンクション  

大山顕 / フォトグラファー / 住宅都市整理公団総裁

「ジャンクションがかっこいい」


−最近気になるかっこいいものを教えて下さい

あいかわらず郊外のでっかいショッピングセンターがかっこいいと思っています。

東海道新幹線の車窓から、田んぼの中に突如として立ち上がるジャスコなどが見えますが、見るたびに鳥肌が立ちます。かっこいい。

あの「建築意匠より経済・流通の論理が卓越した姿」は雄々しっくもかわいらしいです。残念ながらぼくは世代的にジャスコで青春時代を過ごしていませんが、日本にはあそこで放課後の甘酸っぱい時を過ごした若者がたくさんいます。あんなかっこいい風景を毎日見て育った彼らの将来が楽しみです。確実に日本は良い方向へ動いていると思います。まじで。

−かっこいい写真を撮る上で気をつけていることはありますか

「かっこいい写真は水平垂直がきっちりでている」と信じています。なので、撮影時に気をつけているのは、カメラを水平にすることです。とにかく、三脚をしっかり立て、水準器で水平を出す。

ただ、三脚が立てられずに、やむをえず手持ちで撮ると、困ったことにどんなに気をつけても右が上がっていることが多いです。なんでしょうか。ぼくの骨盤がゆがんでいるのでしょうか。カメラが右上がりになると、写ったものが右肩下がりになり、昨今の日本経済を暗示しているようでかなりかっこよくないです。

そして残念なことに、三脚をもってここかあそこかとうろうろしてまわり、水準器を相手にちまちまやっている姿はかなりかっこよくないです。
かっこいい写真を撮る姿はかっこよくない。やんぬるかな、これが真実だと思います。

前回作品「団地がかっこいい

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