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コネタ


コネタ029
 
「森」というバス停は本当に森なのか
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 以前の特集で『どうかと思うバス停めぐり』という記事を書いた。「ワンダーランド」や「西側」といった気になる名前のバス停をめぐった記録だ。

 それなりの数を見て回ったわけだが、まだまだ心を突き動かすバス停というのは存在する。たとえば右の写真、「森」だ。

 一切の虚飾を廃して「森」。他に言うことはないのかというシンプルさ。森は本当に森なのか、実際に行って確かめてみた。

法師丸




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地図をたよりにやってきたバス停
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森じゃないじゃん、森前じゃん!
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バス停「森前」の前
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道すがらにあった廃車の方が森っぽい

●裏切られた希望

 地図によると、バス停「森」は千葉県・富山町の山の中にある。近くにはゴルフ場があったり、道に沿って川が流れていたりと、地図で見るだけでも森っぽさが期待できるロケーションだ。

 近隣のバス停も「草刈場」や「神社」といった強者ぞろい。高ぶる胸をおさえながら、地図をたよりに車を運転しバス停にたどりついた。

 …第一印象としては森というより薮、といったところだろうか。

 もっとモリモリと森であることを期待していた私だが、そこまでの森っぽさはない。比較的広い道路のバス停でもあり、今ひとつ森らしさに欠けるというのが正直なところだ。

 !? ショッキングだったのはそのバス停に書いている表示だった。地図では「森」だったのに「森前」になっているではないか。言っていることは大差ないとはいえ、「森」一文字である厳格さとやりきれなさは「森前」にはない。

 

●いろいろな意味ではっきりしない森

 「森前」か…。

 一体どういうことなのだろうか。気になったのは、妙に新しい感じもするバス停の表示。もしかしたら「森」ではあんまりだということで、割と最近になって「森前」に名前が変更になったのかもしれない。

 必死に考えたそんな物語も、バス停横の待合所の存在によって打ち砕かれた。かなり古びたたたずまいは、はるか昔からここが「森前」だったことをうかがわせる。

 …まあ、いつまでもめげていても仕方がない。「森前」という名のバス停であるならば、前が森であるのだろう。

 そう思って改めてバス停の前を見てみる。うん、まあ、森だと思う。

 結論をまとめてみよう。

  ・ 「森」は「森」ではなく、「森前」
  ・ まあまあ森


 実に歯切れが悪い。

 どうも釈然としない。わさわさした木々の中にひっそりとある、子リスたちが集うようなバス停を期待していたのだが、どうにもピントがずれた結果となった。

 最後の写真は取材の道すがらに見かけた廃車。かなり森と化している。これはあくまで廃車であるのに、なぜだかはっきりと森っぽいのが皮肉にも見える取材だった。


 

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