今年初めまで近辺に住んではいたが、自分は電車に乗っている側の人間であった。なので、実際そういう踏切の被害を体感したことはない。車窓から「はぁ、ここがあの踏切ねーぇ」と、マリーアントワネットのように民衆を見下ろしていた。
武蔵小金井で降りて、まずはすぐ脇の踏切へ。看板には「7時から10時まではほとんど開きません。」の文字が。もう「開きません」と宣言されているのがすごいと思う。
と、たまたまそのとき踏切が開いていたので思わず渡ってみた。あれ?渡れたな。
と思うまもなく、「カンカンカン」と鳴り出し、閉まったきり20分過ぎた・・・。
まさに運が良かった、間一髪だったのだ。といっても向こう側に用のない私としては無駄に運を使ってしまったが。
あれからどうなっているのかを、踏切のそばのタクシー乗り場で、運転手さんに聞いてみた。
「ここは前話題になったときと状況はあまりかわってませんか」
「そうだねー、あのまんまだね」
「ここは車がずっと踏切開くの待ってつながってるから、タクシー出られませんね。大変ですね」
「まあ、でもそのうち出られるし、踏切越えて、っていうお客さんもいないですからなんとかやってます」
住民も慣れたものだ。脇の歩道橋を使うなど、そもそもこの踏切自体を使わないようにしているらしい。でも「この線路の向こう側にはたどりつけない」という抑圧を日常で体験していると思うと、なんだかくらくらする。
というわけで、状況はあまり変化なし。
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